メラブ・ドバリシビリ

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メラブ・ドバリシビリ[1]
2018年
本名 メラブ・ドバリシビリ
(Merab Dvalishvili)
生年月日 (1991-01-10) 1991年1月10日(33歳)
出身地 グルジア・ソビエト社会主義共和国トビリシ
通称 ザ・マシーン
(The Machine)
国籍 ジョージア (国)の旗 ジョージア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 168 cm (5 ft 6 in)
体重 61 kg (134 lb)
階級 バンタム級
リーチ 173 cm (68 in)
スタイル サンボ
柔道
チダオバ
フリドリ
スタンス オーソドックス
拠点 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州ロングアイランド
チーム セラ・ロンゴ・ファイトチーム
トレーナー レイ・ロンゴ
マット・セラ
ランク 柔道 (黒帯)
現役期間 2014年 -
総合格闘技記録
試合数21
勝利17
ノックアウト3
タップアウト1
判定13
敗戦4
タップアウト1
判定3
アマチュア総合格闘技記録
試合数2
勝利2
ノックアウト2
敗戦0
その他
総合格闘技記録 - SHERDOG
獲得メダル
ジョージア (国)の旗 ジョージア
男子 コンバットサンボ
世界コンバットサンボ選手権
2019 清州 68kg級
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メラブ・ドバリシビリグルジア語: მერაბ დვალიშვილი英語: Merab Dvalishvili1991年1月10日 - )は、ジョージア男性総合格闘家トビリシ出身。アメリカ合衆国在住。セラ・ロンゴ・ファイトチーム所属。UFC世界バンタム級ランキング1位[2]。元ROCバンタム級王者。

来歴[編集]

グルジア・ソビエト社会主義共和国で生まれ、独立したグルジア(後のジョージア)で育った。6歳から柔道を始め、その後、ジョージアの伝統レスリングであるチダオバと、伝統総合武術のフリドリを始めた。しかし、柔道がルール改定で足に触れることが禁止になったため、双手刈りが得意だったドバリシビリはフィールドを変えることを決め、2008年頃からレスリングサンボを始めた。

総合格闘技[編集]

SHERDOGなどの総合格闘技戦績サイトではドバリシビリの戦績は2014年のアメリカ合衆国での試合からしか記載されていないが、ドバリシビリ本人はアメリカ合衆国に移住する前にジョージアで10試合ほど試合を行っていると語っている[3]

徴兵期間を終え退役後、21歳の時に、UFCとの契約を目指すためアメリカ合衆国への移住を決意し、ニューヨーク州セラ・ロンゴ・ファイトチームでのトレーニングを開始した[4]。2017年2月にRing of Combatバンタム級王座を獲得。

UFC[編集]

2017年12月9日、UFC初出場となったUFC Fight Night: Swanson vs. Ortegaフランキー・サエンズと対戦し、1-2の判定負け。なお、海外のMMAメディアサイトの採点では14人中10人の記者がドバリシビリの勝利を支持した[5]

2018年4月21日、UFC Fight Night: Barboza vs. Leeリッキー・シモンと対戦。優勢に試合を進めたが、ギロチンチョークで試合終了時に失神していたと判断され逆転のテクニカル一本負け。試合に敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[6]。試合後、ドバリシビリ陣営は失神していなかったと主張して試合結果の変更を求めニュージャージー州アスレチック・コントロール・ボード(NJSACB)に提訴したが棄却された[7]

2019年、世界コンバットサンボ選手権の68キロ級で準優勝した。

2020年8月15日、UFC 252でバンタム級ランキング12位のジョン・ドッドソンと対戦し、3-0の判定勝ち[8]

2021年5月1日、UFC on ESPN: Reyes vs. Procházkaでバンタム級ランキング13位のコーディー・スタマンと対戦し、3-0の判定勝ち[9]

2021年9月25日、UFC 266でバンタム級ランキング6位のマルロン・モラエスと対戦。1Rに左フックでダウンを奪われストップ寸前まで追い詰められるも巻き返し、2R序盤にテイクダウンからのパウンドでTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[10]

2022年8月20日、UFC 278でバンタム級ランキング3位の元UFC世界フェザー級王者ジョゼ・アルドと対戦し、テイクダウンを全て防がれたが、3-0の判定勝ち[11]

2023年3月11日、UFC Fight Night: Yan vs. Dvalishviliでバンタム級ランキング2位の元UFC世界バンタム級王者ピョートル・ヤンと対戦。1試合でのUFC記録となる49度のテイクダウンを仕掛けると、その内11度のテイクダウンを成功させ、そのままスタミナ切れを起こすこともなく終始優勢に試合を進め、ジャッジ3者全員が50-45を付ける完勝で3-0の5R判定勝ち[12]

2024年2月17日、UFC 298でバンタム級ランキング3位の元UFC世界二階級制覇王者ヘンリー・セフードと対戦。レスリングのオリンピック金メダリストのセフードから5度のテイクダウンを奪うなど優勢に試合を進め、試合中に観戦に来ていたケージサイドのマーク・ザッカーバーグに喋りかけるなどの余裕を見せ3-0の判定勝ち。10連勝となった[13][14]

人物・エピソード[編集]

  • セラ・ロンゴ・ファイトチームのチームメイトであるアルジャメイン・スターリングとは親友であるが、ドバリシビリはスターリングがUFC世界バンタム級王者であった時に親友であることを理由に対戦しないことを公言し、さらにスターリングがショーン・オマリーに敗北して王座から陥落した際にも、新王者のオマリーに挑戦せずにオマリー対スターリングの即時再戦が行われるまで待つと発言したことで、UFC代表のダナ・ホワイトから「私はそれが嫌いだ。そしてそういう考え方であるならなぜこのスポーツに参加したんだ?。私達は友達なんだ、王座もいらない、タイトルマッチすらしたくない、とかなんとか言って」「友情は関係ないんだ。ここは誰が世界で一番なのかを決める場所なんだ。そして君が世界で一番になりたくないのであれば、ここは君にふさわしい場所ではないんだ。」と苦言を呈された[15]
  • 2024年3月、アメリカ合衆国の市民権を取得した[16]

戦績[編集]

総合格闘技 戦績
21 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
17 3 1 13 0 0 0
4 0 1 3 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
ヘンリー・セフード 5分3R終了 判定3-0 UFC 298: Volkanovski vs. Topuria 2024年2月17日
ピョートル・ヤン 5分5R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Yan vs. Dvalishvili 2023年3月11日
ジョゼ・アルド 5分3R終了 判定3-0 UFC 278: Usman vs. Edwards 2 2022年8月20日
マルロン・モラエス 2R 4:25 TKO(パウンド) UFC 266: Volkanovski vs. Ortega 2021年9月25日
コーディー・スタマン 5分3R終了 判定3-0 UFC on ESPN 23: Reyes vs. Procházka 2021年5月1日
ジョン・ドッドソン 5分3R終了 判定3-0 UFC 252: Miocic vs. Cormier 3 2020年8月15日
グスタヴォ・ロペス 5分3R終了 判定3-0 UFC on ESPN 10: Eye vs. Calvillo 2020年7月26日
ケイシー・ケニー 5分3R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Anderson vs. Błachowicz 2 2020年2月15日
ブラッド・カトナ 5分3R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Iaquinta vs. Cowboy 2019年5月4日
テリオン・ウェア 5分3R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Hunt vs. Oliynyk 2018年9月15日
× リッキー・シモン 3R 5:00 ギロチンチョーク UFC Fight Night: Barboza vs. Lee 2018年4月21日
× フランキー・サエンズ 5分3R終了 判定1-2 UFC Fight Night: Swanson vs. Ortega 2017年12月9日
ラウフェオン・ストッツ 1R 0:15 KO(左バックハンドブロー) Ring of Combat 59
【ROCバンタム級タイトルマッチ】
2017年6月2日
スクロブ・アイダルベコフ 2R 腕ひしぎ十字固め Ring of Combat 58
【ROCバンタム級王座決定戦】
2017年2月24日
トニー・グレイブリー 5分3R終了 判定3-0 Ring of Combat 57 2016年11月18日
ポール・グラント 5分3R終了 判定3-0 Ring of Combat 56 2016年9月23日
マット・タロス 5分3R終了 判定3-0 CES MMA 36 2016年6月10日
ジェフリー・ゼン 5分3R終了 判定3-0 CES MMA 34 2016年4月1日
× リッキー・バンデハス 5分3R終了 判定0-3 CFFC 43 2014年11月1日
デニス・ドンボロー 3R 0:50 TKO(パウンド) Ring of Combat 49 2014年9月19日
× ダレン・ミマ 5分3R終了 判定0-2 Ring of Combat 47 2014年1月24日

獲得タイトル[編集]

表彰[編集]

  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(1回)

脚注[編集]

  1. ^ メラブ・ドバリシビリ UFC 公式サイト
  2. ^ [1] UFC公式サイト
  3. ^ 【UFC266】マルロン・モラエスと対戦、TD製造機マラブ・デヴァリシビリ─01─「チタオバをやっていた」MMAPLANET 2021年9月23日
  4. ^ MERAB DVALISHVILI BRINGS HIS COUNTRY’S FIGHTING SPIRIT TO ROC 58 Ring Of Combat 2020年5月29日
  5. ^ Frankie Saenz defeats Merab Dvalishvili MMA Decisions 2017年12月9日
  6. ^ UFC Atlantic City results: Ricky Simon takes controversial TKO over Merab Dvalishvili MMA Fighting 2018年4月21日
  7. ^ NJSACB denies Merab Dvalishvili's appeal, upholds UFC Atlantic City win for Ricky Simon MMA Junkie 2018年4月27日
  8. ^ UFC 252 Results: Merab Dvalishvili Blankets John Dodson to Decision Cageside Press 2020年8月15日
  9. ^ UFC Vegas 25 Results: Merab Dvalishvili defeats Cody Stamann by decision Empire Sports Media 2021年5月1日
  10. ^ UFC 266 results: Merab Dvalishvili stops Marlon Moraes in incredible comeback win MMA Junkie 2021年9月25日
  11. ^ Twitter reacts to Merab Dvalishvili's grinding victory over Jose Aldo at UFC 278 MMA Junkie 2022年8月20日
  12. ^ Merab Dvalishvili def. Petr Yan full fight video highlights MMA Fighting 2022年3月11日
  13. ^ UFC 298: VOLKANOVSKI VS. TOPURIA MMA Fighting 2024年2月17日
  14. ^ Merab Dvalishvili carries Henry Cejudo across the Octagon to talk to Mark Zuckerberg during historic win at UFC 298 talkSPORT 2024年2月18日
  15. ^ Dana White lambasts Aljamain Sterling, Merab Dvalishvili for putting friendship above UFC title aspirationsMMA Junkie 2023年8月30日
  16. ^ "Best country in the world" - Wishes pour in from fans and fighters as Merab Dvalishvili becomes a citizen of the USA Sportskeeda 2024年3月23日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]