マロノニトリル
マロノニトリル | |
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IUPAC名 | プロパンジニトリル |
分子式 | C3H2N2 |
分子量 | 66.06 |
CAS登録番号 | 109-77-3 |
形状 | 無色固体 |
融点 | 28-30 °C[1] |
沸点 | 92-94 °C/8 mmHg[2] |
SMILES | N#CCC#N |
マロノニトリル (malononitrile) とは有機化合物の一種で、マロン酸から誘導されるジニトリル。示性式は H2C(CN)2。アセトアミドに似た軽い臭いを示す。シアノ基の強い電子求引性によりメチレン基の酸性は高く、活性メチレン化合物としての性質を持ち、有機合成の中間体とされる。
合成
シアノアセトアミドの脱水により合成する。脱水剤は、リン酸トリクロリド (POCl3)[2]、五塩化リン (PCl5)[1] を用いることができる。
- NCCH2C(=O)NH2 → H2C(CN)2 + H2O
反応
活性メチレン化合物として、塩基により容易にカルバニオン (NCCH−CN) を発生させることができる。クネーフェナーゲル縮合の基質となる。
- R-CHO + H2C(CN)2 + base → R-CH=C(CN)2
臭素によりジブロモ化したのちに銅粉で還元的に二量化させると、テトラシアノエチレン (TCNE) が得られる[3]。
- H2C(CN)2 + KBr • Br2 → KBr • [Br2C(CN)2]4
- [Br2C(CN)2]4 + Cu powder → (NC)2C=C(CN)2
参考文献
- ^ a b Corson, B. B.; Scott, R. W.; Vose, C. E. (1930). "Malononitrile". Organic Syntheses (英語). 10: 66.; Collective Volume, vol. 2, p. 379
- ^ a b Surrey, A. R. (1945). "Malononitrile". Organic Syntheses (英語). 25: 65.; Collective Volume, vol. 3, p. 535
- ^ Carboni, R. A. (1959). "Tetracyanoethylene". Organic Syntheses (英語). 39: 64.; Collective Volume, vol. 4, p. 877