マホガニー
マホガニー属 | ||||||||||||||||||
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![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/34/Swietenia_macrophylla_wood.jpg/250px-Swietenia_macrophylla_wood.jpg)
マホガニー (mahogany) とはセンダン科マホガニー属 (Swietenia) に属する3種の木本の総称である。高級木材として知られる。漢字では、桃花心木。
原産地での乱伐がすすんだため、現在では全ての種がワシントン条約によって取引が制限されている[1]。
マホガニー属の木材は現在では入手困難であることから、類似した外見を持つ分類学的には異なる木も「マホガニー」の名をつけて流通している。
マホガニー属 Swietenia
マホガニー属には以下の3種が知られる。
- マホガニー S. mahogani (L.) Jacq.
- キューバマホガニーまたはスペインマホガニーとも呼ばれる。
- オオバマホガニー S. macrophylla King
- ホンジュラスマホガニーとも呼ばれる。
- メキシコマホガニー S. humilis Zucc.
いずれも中米から南米にかけてが原産で、生育地域ごとに3種に分類されている。樹高20-45m、直径2mまで生長する。葉は長さ10-30cmの羽状で、5-10cmの小葉3-6枚からなる。現在では材木用に世界中の熱帯域で植林が行われている。
丈夫で加工しやすく特に心材は赤みをもった美しい光沢を示すことから、トーマス・チッペンデールなどの高級家具やギター用の木材として人気がある。さらに便座やパネル、ドアの素材にも使用される。1立方メートル辺り1600ドル以上もの値打ちがつくこともあり、「緑の黄金」と呼ばれている。しかし需要の過多に伴い原産地では乱伐が横行し、マホガニーの分布する森林は壊滅的な打撃を被った。
1946年にはキューバ政府がマホガニーの輸出禁止を施策する事態となり、現在では全ての種がワシントン条約によって取引が制限されている。
規制後もマホガニーの取引は行われているが、多くは違法な取引であり、伐採されるマホガニーの7割以上が掠奪によって調達されたものである。2001年、ブラジル政府はマホガニーの全面輸出禁止政策を打ち出したが、違法な輸出を完全に抑止するには至っていない。マホガニーの違法な伐採によって主に被害を被るのはブラジルの先住民であり、腹に据えかねた先住民が蜂起して抗争が起こり、多くの犠牲が出るという悲劇も起こっている。
マホガニー属以外
マホガニー属の材木は現在では入手が非常に困難となっていることから、同じくセンダン科のアフリカマホガニー属 Khayaの樹木やサペリ Entandrophragma cylindricum Spragueもマホガニーの名で呼ばれることがある。また、分類学的には全く異なるフタバガキ科のラワン材の1種も「フィリピン・マホガニー」の名で、ムクロジ科のマトアも「ソロモンマホガニー」の名で流通している。
中国原産で日本の野山にも自生するチャンチンはチャイニーズマホガニーとも呼ばれる。またセンダンはジャパニーズマホガニーとも呼ばれ、仏像の製作に用いられる。
参考文献
- A・レウィントン「暮らしを支える植物の事典」(八坂書房)
脚注
- ^ S. mahagoniならびにS. humilisは原産地を問わず、S. macrophyllaは新熱帯地域の個体群に限りワシントン条約附属書 IIに記載されている。このため、商業取引には輸出国の許可が必要となる(経済産業省のワシントン条約(CITES)のサイト )。