マトラ・シムカ・ランチョ
マトラ・シムカ・ランチョ(Matra Simca Rancho )はフランスの自動車メーカー・マトラが1977年から1983年まで生産したユーティリティービークルである。1973年の第1次石油危機以降、レーシングカー・スポーツカー専業メーカーとしての先行きに不安を覚えたマトラの方向転換を示す製品である。
シムカ・1100の足回りやボディ前半部を用いて、オフロードカースタイルの車体をFRPで製造して架装したもので、SUV風ではあるが4WD版は存在しない。エンジンは一回り上級のシムカ・1308と同じOHV1,422cc80馬力に強化され、最高速度145km/hをマークした。オフロードカーの雰囲気だけを楽しむ車としては、同じフランスのシトロエン・メアリやダラス、日本のいすゞ・ユニキャブにも似たコンセプトである。
1980年以降は、シムカのブランド名が消滅したためタルボ・マトラ・ランチョ (Talbot Matra Rancho )と呼ばれ、マトラが自社開発した画期的なミニバン、ルノー・エスパスの生産に専念することになる1983年までに56,000台が生産された。当時の日本へは正規輸入はされていない。
関連項目
参考文献
二玄社 別冊CG「自動車アーカイブ 80年代のフランス車編」