フォーブス30アンダー30
フォーブス30アンダー30(英語: Forbes 30 Under 30、フォーブス・サーティ・アンダー・サーティ)は、『フォーブス』誌が毎年発表している、30歳未満の特筆すべき人物の一覧である。分野ごとに30人を選出することから、この名前がついている。 アメリカ版と一部の地域版でそれぞれ発表されている。
アメリカ版では、20の部門からそれぞれ30人ずつ、計600人が選出される。アジア版とヨーロッパ版では10の部門から計300人、アフリカ版では部門分けせずに30人が選出される。日本版では2018年から発表が開始され、5つの分野から計30人が選出される。
フォーブス誌では、30アンダー30に関連するカンファレンスを開催し、同誌のウェブサイトに30アンダー30のセクションを設けている。
歴史
2011年、『フォーブス』アメリカ版ではランドール・レーン編集長の指揮のもとで「30アンダー30」の発表を開始した[1]。当初は全ジャンルから30人を選出していたが、2016年には候補者が1万5千人以上に達したことから、20の部門ごとに30人(計600人)を選出することとした[2]。その後、アジア[3]、ヨーロッパ(2016年から)[4][5]、アフリカ[6]の各地域版がその地域内に限定した同様の企画を開始した。日本版では、2018年から日本人に限定した一覧を発表している。
フォーブス誌は、同誌のウェブサイトに30アンダー30のセクションを設け、30アンダー30のSNSアプリと関連付けている[7]。『ワシントン・ポスト』紙によれば、このセクションは「この雑誌のメインの購読者層にミレニアル世代に焦点を当てた記事を提供する」ことを目的としている[8]。このSNSアプリは、過去に30アンダー30に選出されたことのあるシーン・ラッドが創業したTinderとのコラボレーションにより生まれたものである[9]。
カンファレンス
フォーブス誌は、2014年から「30アンダー30サミット」というカンファレンスを開催している[10]。2014年と2015年はフィラデルフィアで開催された[11]2014年の第1回では、モニカ・ルインスキーがネットいじめに関する講演を行って[12]話題となった[13][14]。2015年と2017年はボストンで開催された[15]。
また、2016年4月にはヨーロッパ・中東・アフリカに焦点を当てた初の国際カンファレンスをテルアビブとエルサレムで開催した[16]。
2020年9月、フォーブス誌は「パワー・ウーマンズ・サミット」をオンライン開催し、世界規模で活動をする女性を表彰した[17]。
2022年4月、ボツワナで国際カンファレンスが開催された。
批判
30アンダー30に対しては様々な批判もある[18]。オンラインマガジンの『ザ・ルート』は、2011年のメディア部門で選出された30人のうち29人が白人であり、黒人やラテン系人種は選出されていなかったと指摘した[19]。『ELLE』南アフリカ版は、2014年の選出者が男性偏重になっていることを指摘し、「女性はどこ?」(Where are the women?)と疑問を投げかけた[20]。ポインター研究所は、2015年のメディア部門で18人の女性が選出され、これは過去5年間で最高の数だったと報じた[21]。
このような批判を受け、フォーブス誌は2020年から「世界で最もパワフルな女性100人」(the world's 100 most powerful women)を[22][23]、2021年には「注目すべき8人の黒人起業家」を発表した[24]。
脚注
- ^ Kelly, Keith J. (2017年12月6日). “Forbes promotes its top magazine editor to content chief” (英語). New York Post. 2020年8月5日閲覧。
- ^ Buczkowski, Brianna (2016年1月6日). “Forbes annual '30 under 30' lists boasts the best and the...”. Red Alert Politics. オリジナルの2019年8月4日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Garcia, Pia (2016年2月26日). “10 Filipinos honored by Forbes in first 30 Under 30 Asia list”. CNN Philippines. オリジナルの2016年7月14日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Adejobi, Alicia (2016年1月19日). “Forbes 30 Under 30: Adele and Andy Murray named among most influential young Europeans”. International Business Times. オリジナルの2019年12月15日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Burrell, Ian (2016年1月24日). “Will Donald Trump or Forbes triumph in the battle of the brands?”. The Independent (UK). オリジナルの2016年8月3日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Sanchez, Dana (2016年6月6日). “Spotlight On Forbes Africa's 30 Under 30: How A 15-Year-Old Founded A Top SA YouTube Channel”. AFK Insider. オリジナルの2019年12月15日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Sutton, Kelsey (2015年11月2日). “Forbes launches 'Under 30' channel to try and reach millennials”. Politico. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ O'Connell, Ryan (2014年10月22日). “Forbes, Velocity Launch Under 30 Digital Channel Aimed at Millennial Audiences”. The Washington Post. オリジナルの2016年8月22日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Solomon, Daina Beth (2015年8月6日). “Tinder creates business networking app with Forbes”. Los Angeles Times. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Juul, Matt (2016年7月19日). “Forbes's Under 30 Summit to Bring Jessica Alba, Other Big Stars to Boston”. Boston Magazine. オリジナルの2016年7月24日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Arvedlund, Erin; Terruso, Julia (2016年3月9日). “30 Under 30 Summit moving to Boston”. Philly.com. オリジナルの2016年8月17日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Heil, Emily (2014年10月20日). “Monica Lewinsky breaks her silence ... again. This time, it could take.”. The Washington Post. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ Cillizza, Chris (2015年10月20日). “How Monica Lewinsky changed politics”. The Washington Post. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Associated Press (2014年10月21日). “Monica Lewinsky says she was cyberbullying's 'patient zero'”. The Boston Globe. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Woodward, Curt (2016年3月7日). “Forbes to bring Under 30 summit to Boston - The Boston Globe”. The Boston Globe. オリジナルの2020年6月29日時点におけるアーカイブ。 2016年7月14日閲覧。
- ^ Elis, Niv (2015年10月6日). “Israel to host first international 'Under 30' Forbes Summit”. The Jerusalem Post. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Summit, Forbes Virtual Women's. “2020 Forbes Power Women's Summit: Change & The Changemakers” (英語). Forbes. 2021年3月17日閲覧。
- ^ Daly, Annie (2015年3月9日). “Why '30 Under 30' and other age-based lists are actually terrible”. New York Post. オリジナルの2020年1月30日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ Prince, Richard (2011年12月25日). “No Blacks, Latinos on Forbes' Under-30 List”. The Root. オリジナルの2016年10月11日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ “FORBES' 30 UNDER 30: WHERE ARE THE WOMEN?”. Elle South Africa. (2015年1月19日). オリジナルの2016年8月15日時点におけるアーカイブ。 2016年7月30日閲覧。
- ^ Hare, Kristin (2015年1月5日). “Forbes' 30 under 30 list includes 18 women — 'the most ever'”. Poynter. オリジナルの2016年8月8日時点におけるアーカイブ。 2016年7月31日閲覧。
- ^ McGrath, Maggie. “Power Rising: These Are The Women To Watch In 2020” (英語). Forbes. 2021年3月17日閲覧。
- ^ “The World's 100 Most Powerful Women 2020” (英語). Forbes. 2021年3月17日閲覧。
- ^ Simon, Morgan. “Black Futures Month: 8 Black Entrepreneurs To Watch” (英語). Forbes. 2021年3月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト(アメリカ版)
- Forbes 30 UNDER 30 JAPAN(日本版)