デンキナマズ
デンキナマズ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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デンキナマズ(電気鯰)はナマズ目デンキナマズ科(Malapteruridae)に分類されるナマズの一種である。
概要
デンキナマズ科はMalapterurus属およびParadoxoglanis属の二つの属に大別され、19の種が存在する。この科のいくつかの種は、体内の発電器官によって最大350ボルトの電気を発生させる能力を持っており、発電する魚としてはデンキウナギに次いで発電量の大きい魚である。
形態
頭部から尾部まで太さの変わらない丸太のような体型をしており、放射状に伸びたヒゲと合わせてドジョウを太短くしたような印象の外見である。背びれとひれの棘を欠く。最大で1メートル、20キロ・グラムほどに成長する。
発電の仕組み
デンキナマズは発達した発電器官を持ったナマズ目で唯一のグループである。体の後半部分が発電器官になったデンキウナギに対し、デンキナマズは体表を包むように発電器官が発達している。頭部がマイナス、尾部がプラス極となっている。発電の目的はデンキウナギと同じく、餌となる小魚の捕食と体の周りに電場を作ることによって周囲を探るためである。
分布
人間とのかかわり
古代エジプトの時代からデンキナマズは知られており、エジプト文明の壁画などに記述が見られる。エジプト初期王朝時代(BC3100年)のファラオとして知られるナルメルの化粧板に、王名を示す初期ヒエログリフの表音文字「ナル」として描かれたのが現在知られている最初の記述である。また12世紀にアラブ人の医師によってその発電能力が報告されている。水族館ではデンキウナギと並んで発電の様子を展示する目的で飼育されることが多い。またアクアリウムにおいても飼育されることが多く10センチ・メートル程度の幼魚が流通しているが、感電の危険があるため成長した個体の取り扱いには注意が必要である。
種類
- デンキナマズ
- 学名:Malapterurus electricus
- 最大で体長50センチ・メートル。単に「デンキナマズ」と言う場合本種を指すことが多く、小種名も発電する能力に由来するものである。体表は薄い褐色にまばらな黒い斑点が入り、尾筒に二本、尾びれに一本の黒い縞模様がある。
- ロングノーズデンキナマズ
- 学名:Malapterurus microstoma
- 最大で体長1メートルと非常に大きくなる。吻部が若干突出することからこの名前で呼ばれる。体色は灰色がかっており、electricus種のような縞模様を持たない。