デンキナマズ科

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デンキナマズ科
Malapterurus electricus 1.jpg
デンキナマズ Malapterurus electricus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: ナマズ目 Siluriformes
上科 : ナマズ上科 Siluroidea
: デンキナマズ科 Malapteruridae
英名
Electric catfishes
下位分類
本文参照

デンキナマズ科学名Malapteruridae)は、ナマズ目に所属する魚類の分類群の一つ。デンキナマズなど、発電をすることで知られる淡水魚を中心に2 属19種が記載される[1]

分布・生態[編集]

デンキナマズ科の魚類はすべて淡水魚で、アフリカ熱帯域およびナイル川水系の河川に分布する[1]

本科魚類は非常に強い発電を行うことでよく知られている[1]。多くのナマズ目の仲間は体表に電場を感じ取る受容器をもつが、発電器官を備えるのは本科のみである[1]。その発電力はデンキウナギデンキウナギ目)に次いで強く、獲物を捕えるため、あるいは外敵を撃退するために用いていると考えられている[2]

形態[編集]

デンキナマズMalapterurus electricus)。円筒形のずんぐりした体と、後方に位置する脂鰭が本科魚類の特徴である

デンキナマズ科の仲間はやや細長く円筒形で、ソーセージに似た体型をもつ[2]。デンキナマズ属には数十cm程度のが多く、最大では体長1mに達する一方、Paradoxoglanis 属は20cmに満たない[3]。口ヒゲは3対で、上顎および下顎に存在する[1]浮き袋は体の後方に長く伸び、デンキナマズ属は2つ、Paradoxoglanis 属では3つの小室に分かれる[1]

よく発達した発電器官をもつことが、本科魚類の最大の特徴である[1]。発電器官は体の前半部の筋肉に由来し、左右の体側面を覆うように存在する[1]。この器官は片側だけで数百万個に上る発電細胞で構成され、最大で300ボルトに及ぶ電圧を得ることができる[4]

背鰭をもたず、胸鰭には棘がない[1]。脂鰭は体の後方に位置し、尾鰭は円みを帯びる[1]。胸帯と頭蓋骨との連結はゆるい[1]

分類[編集]

デンキナマズ科には1994年の時点で1属2種しか含められていなかったが[5]、2000年代以降に新種記載およびシノニムの見直しが相次ぎ、Nelson(2006)の体系では2属19種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される2属21種についてリストする[3]

デンキナマズ Malapterurus electricus (デンキナマズ属)。本科の中では最も一般的な種類で、アクアリウムでの飼育対象として利用される
  • デンキナマズ属 Malapterurus
    • デンキナマズ Malapterurus electricus
    • ロングノーズ・デンキナマズ[6] Malapterurus microstoma
    • Malapterurus barbatus
    • Malapterurus beninensis
    • Malapterurus cavalliensis
    • Malapterurus leonensis
    • Malapterurus melanochir
    • Malapterurus minjiriya
    • Malapterurus monsembeensis
    • Malapterurus occidentalis
    • Malapterurus oguensis
    • Malapterurus punctatus
    • Malapterurus shirensis
    • Malapterurus stiassnyae
    • Malapterurus tanganyikaensis
    • Malapterurus tanoensis
    • Malapterurus teugelsi
    • Malapterurus thysi
  • Paradoxoglanis
    • Paradoxoglanis caudivittatus
    • Paradoxoglanis cryptus
    • Paradoxoglanis parvus

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.178
  2. ^ a b 『海の動物百科3 魚類II』 p.81
  3. ^ a b Malapteruridae”. FishBase. 2012年4月22日閲覧。
  4. ^ 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.84
  5. ^ 『Fishes of the World Third Edition』 p.162
  6. ^ 『世界のナマズ 増補改訂版』 p.145

参考文献[編集]

  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Third Edition』 Wiley & Sons, Inc. 1994年 ISBN 0-471-54713-1
  • Gene S. Helfman, Bruce B. Collette, Douglas E. Facey, Brian W. Bowen 『The Diversity of Fishes Second Edition』 Wiley-Blackwell 2009年 ISBN 978-1-4051-2494-2
  • Andrew Campbell, John Dawes編、松浦啓一監訳 『海の動物百科3 魚類 II』 朝倉書店 2007年(原著2004年) ISBN 978-4-254-17697-1
  • 江島勝康 『世界のナマズ 増補改訂版』 マリン企画 2008年 ISBN 978-4-89512-515-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]