ソーホー (ロンドン)

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ソーホー

Soho Square
ソーホーの位置(グレーター・ロンドン内)
ソーホー
ソーホー
グレーター・ロンドンにおけるソーホーの位置
英式座標
TQ295815
ロンドン
特別区
セレモニアル
カウンティ
グレーター・ロンドン
リージョン
構成国イングランドの旗 イングランド
イギリスの旗 イギリス
郵便地域LONDON
郵便番号W1
市外局番020
警察メトロポリタン
消防ロンドン
救急医療ロンドン
欧州議会ロンドン
英国議会
ロンドン議会
場所一覧
イギリス
イングランド
ロンドン
北緯51度30分47秒 西経0度07分52秒 / 北緯51.513度 西経0.131度 / 51.513; -0.131座標: 北緯51度30分47秒 西経0度07分52秒 / 北緯51.513度 西経0.131度 / 51.513; -0.131

ソーホー(Soho)は、ロンドンシティ・オブ・ウェストミンスターにある一地区であり、ウエスト・エンドの一角をなす。20世紀中のソーホーは性風俗店や映画産業施設が並ぶ歓楽街として栄えた長い歴史をもつ。1980年代初頭以降、当地区は高級レストランやメディア関連企業が立ち並ぶファッション街へと大きく変貌し、性産業の店舗はそのほとんどがソーホーから姿を消した。今日ではお洒落な店舗が密集し、ゲイバーやレズビアンバーが連なる賑やかなゲイエリアとしても有名である。

歴史

1536年までは現在のソーホー地区一帯は放牧農場だったが、ヘンリー8世によってホワイトホール宮殿が王立公園として当地に整備された。"Soho"の名が最初に現れたのは17世紀のことである。大多数の権威はその名は昔の狩りの叫び声に由来すると信じている[1][2][3][4]。最初にこの名がロンドンのこの地域を指して用いられてから半世紀経った頃、1685年ジェームズ2世反乱を起こしたモンマス公爵ジェイムズ・スコットセッジムーアの戦いで部下を招集する際の掛け声として"soho"を使った[5]

1660年代、イングランド王チャールズ2世はソーホーの広場をセント・オールバンズ伯爵ヘンリー・ジャーミンへ下賜された。彼はその22エーカー (89,000 m2)のうちの19エーカーをJoseph Girleへ貸し与え、Girleは建設の許可を得た後、1677年に即座に借地権と許諾をレンガ職人のリチャード・フリスへ譲渡した。フリスは開発を始めた。

1698年、ウィリアム3世はこの地域の大部分を占める王室の自由保有不動産をポートランド伯爵ウィリアム・ベンティンクへ下賜した。同時に、16世紀から17世紀に王立地の一区画だった地区の南部はセント・アン行政教区へ編入されたり、レスター伯ロバート・シドニーへ分割譲渡されたりした。

レスター伯やポートランド伯のような土地の所有者がブルームズベリーメリルボーンメイフェア等の近隣地区を巻き込んで大々的な地区の開発を実施し、最善の経営に努めたにもかかわらず、ソーホーは決して富裕層向けのファッション街となることはなかった。1688年にフランスからユグノーの移民が殺到した後は、当地はロンドンのフランス人地区として知られるようになった[6]。ソーホー・スクエアにあるフランス人教会は17世紀にユグノーによって創立された。18世紀中頃までには、ソーホー・スクエアあるいはジェラード・ストリートに住んでいた貴族階級の人々は転出していった。ソーホーの特徴は、裕福で流行の先端をいくロンドンからは無視され続けたことを軸に、近隣地域の再開発不足などから形成された。

19世紀半ばまでに、上流階級の家庭はみな転出していき、代わりに売春婦と音楽ホールと小規模の劇場が転入してきた。20世紀初頭には外国籍の人々が安価な飲食店を出すようになり、その近隣は知識人や作家、芸術家向きの流行の場所となった。1930年代から1960年代初期にかけては、ソーホーのパブは毎晩、酔っ払いの作家や詩人、芸術家であふれており、決して出世できるほどまでに節制していることはなく、パブの主人らが彼らを定着させたのもちょうどこの頃だとの伝承がある。

作家のディラン・トマスやジャズ・ミュージシャンのジョージ・メリー等に代表される、壁画に描かれたより詳しいソーホーの特徴は、ブロードウィック・ストリート上のカーナビー・ストリートとの交差点に表れている。

架空の世界では、ロバート・ルイス・スティーヴンソンジキル博士とハイド氏の奇妙な物語の作中で、ヘンリー・ジキル博士にソーホーの一角へエドワード・ハイドの家を建てさせている。[7]

ソーホーの地名は、香港のソーホー地区ニューヨークのソーホー地区、ブエノスアイレスのパレルモ・ソーホー等、世界各地で娯楽・飲食店街を表す語として使われている。

ギャラリー

脚注・出典

  1. ^ 'Estate and Parish History', Survey of London: volumes 33 and 34: St Anne Soho (1966), pp. 20-6 accessed: 17 May 2007
  2. ^ Adrian Room, A Concise Dictionary of Modern Place-Names in Great Britain and Ireland, page 113
  3. ^ John Richardson, The Annals of London, page 156
  4. ^ Brewer's Dictionary of Phrase and Fable, page number varies according to edition
  5. ^ Arthur Mee, The King's England: London, page 233
  6. ^ Henry Barton Baker (1899). Stories of the streets of London. Chapman and Hall Ltd.. p. 229. https://books.google.co.jp/books?id=vmQvAAAAMAAJ&pg=PA229&redir_esc=y&hl=ja 
  7. ^ Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde by Robert Louis Stevenson, 1886

外部リンク