ソウダガツオ
ソウダガツオ属 Auxis | ||||||||||||||||||||||||||||||
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Fishbaseによる画像。上ヒラソウダ・下マルソウダ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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ソウダガツオ(宗太鰹)は、スズキ目・サバ科・ソウダガツオ属 Auxis に属するヒラソウダとマルソウダの混称である。全世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布する肉食魚で、食用に漁獲される。
特徴
両種とも漁獲が多いのは全長40cm程までである。混称の通りカツオに近縁で、鱗はカツオと同様に目の後ろ、胸鰭周辺、側線沿いにしかない。ただしカツオよりは小型で、体型も前後に細長く、外見はサバにも似る。また、捕獲した際などには腹側に縞模様が出ない。口と目が接近していて、主に西日本で呼ばれる地方名の一つ「メヂカ(目近)」はここに由来する。
全世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布し、沿岸から沖合いにかけての表層を大群で回遊する。食性は肉食性で、小魚、甲殻類、頭足類などを捕食する。
分類
ソウダガツオ属は2種のみが分類され、それぞれ2亜種に分けられる。
- ヒラソウダ A. thazard (Lacepède, 1800)
- 亜種 A. thazard thazard (Lacepède, 1800) - 全世界の熱帯・亜熱帯海域に分布
- 亜種 A. thazard brachydorax Collette et Aadland,1996 - 東太平洋に分布
- マルソウダ A. rochei (Risso,1810)
- 亜種 A. rochei rochei (Risso,1810) - 全世界の熱帯・亜熱帯海域に分布
- 亜種 A. rochei eudorax Collette et Aadland,1996 - 東太平洋に分布
食用として流通する際はこの2種を区別しないことが多く、地方名も2種共通でカツオ、ソウダガツオ、メヂカ、ローソク(各地)などがある。個別の地方名はヒラソウダがホンズマ(和歌山)、マルソウダがスボタ(和歌山)、マンダラ(神奈川)などがある。
2種の区別点は以下のようなものがある。
- 体の横断面 - 和名通りヒラソウダは側扁し、マルソウダは円形に近い
- ヒラソウダは背面黒色部と鰓蓋上の斑点が分離するが、マルソウダは連続する
- 鱗のある領域 - ヒラソウダは第一・第二背鰭の間で急激に細り側線へ続くが、マルソウダは第二背鰭まで徐々に細くなる
- 鰓耙数 - ヒラソウダ37-38、マルソウダ44-48
- ヒラソウダは全長60cmに達するものもいる
- マルソウダはヒラソウダより沖合いに多い
利用
一本釣り、巻き網、棒受け網、定置網などで漁獲される。日本では鰹節と同様の「ソウダ節」に加工されて出回ることが多い。新鮮なものは刺身、焼き魚などで食べられるが、血合いが多いため一般的な味の評価はカツオより低い。また傷みも早いので鮮魚での流通は限られる。鮮魚ではマルソウダよりもヒラソウダの方が味が良いとされている。 マルソウダはヒスタミンによる中毒を起こすおそれがあり、またヒスタミンは加熱によって分解されないため、食用を避けるか少なくとも鮮度がおちたものは食さないことが望ましい。ヒラソウダも含めて釣ったらすぐに血抜き(できれば内臓も除去)をしてクーラーで保管する。
参考文献
- 岡村収監修 山渓カラー名鑑『日本の海水魚』(サバ科執筆者 : 中村泉)ISBN 4-635-09027-2
- 藍澤正宏ほか『新装版 詳細図鑑 さかなの見分け方』講談社 ISBN 4-06-211280-9
- 檜山義夫監修 『野外観察図鑑4 魚』改訂版 旺文社 ISBN 4-01-072424-2
- 永岡書店編集部『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』 ISBN 4-522-21372-7
- 内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』北隆館 ISBN 4-8326-0042-7
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