スターキング
スターキング (The Star King、またはBeyond the Moon) は、SF作家エドモンド・ハミルトンによるスペースオペラのシリーズ。主人公の名前からジョン・ゴードン(John Gordon)シリーズと呼ばれることもある。
『スターキング』(The Star Kings)と『スターキングへの帰還』(Return to the Stars)、ハミルトンが妻のSF作家リイ・ブラケットと合作した『Stark and the Star Kings』の3作からなるが、『Stark and the Star Kings』は日本語訳されていない(ブラケットとレイ・ブラッドベリが共作したヒロイック・ファンタジー作品『赤い霧のローレライ』の主人公ヒュー・スタークと、ジョン・ゴードンが競演する)。
『スターキング』は、「アメージング・ストーリーズ」誌1947年7月号に掲載された。 1949年にはフレデリック・フェル社からハードカバーの単行本が、1950年にはシグネット・ブックス社から『Beyond the Moon』のタイトルでペーパーバックが刊行された。更に1951年にはイギリスで、続いてフランスで『Les Rois des Etoiles』、ドイツで『Herrschen in Weltenraum』のタイトルで出版された。[1]
続編の『スターキングへの帰還』は、「アメージング・ストーリーズ」誌1964年9月号に掲載された「Kingdom of the Stars」、1965年4月号に掲載された「The Shores of Infinity」、「ファンタスティック」誌1968年12月号に掲載された「Broken Stars」、「アメージング・ストーリーズ」誌1969年5月号に掲載された「Horror from the Magellanic」の中篇4つをまとめたもの。
あらすじ
スターキング
20世紀の地球人ジョン・ゴードンは、2000世紀の中央銀河系帝国第2王子ザース・アーンの誘いに応じ、精神を一時的に入れ替えた。しかし、帝国と敵対する暗黒星雲同盟の襲撃をうけ、拉致されてしまう。果たしてゴードンの正体は隠し切れるのか、また元の肉体に戻れるのか?
帝国を救う切り札、超兵器「ディスラプター」は王族にしか扱えない。肉体はザース王子だが、何の知識も持たないゴードンは帝国を救うことが出来るのか?
スターキングへの帰還
前作の冒険を妄想だと思いこみ、精神科医に通うジョン・ゴードンに、肉体を送信できる装置を開発したというザース・アーンからの交信が届く。
時空を超えてスターキングの世界に帰還したゴードンだが、愛するリアンナ王女との再会も束の間、二人の心はすれ違う。そしてリアンナ王女の祖国フォマロート王国を舞台にして、人類と非人類の対立が噴出しようとしていた。再び中央銀河帝国に危機が迫る。
主な登場人物
スターキング
- ジョン・ゴードン(John Gordon):主人公。保険会社に務める20世紀のしがないサラリーマン
- ザース・アーン(Zarth Arn):2000世紀の中央銀河系帝国第2王子。科学者。過去の人間と精神を入れ替えて歴史研究をする趣味がある。
- リアンナ:フォマロート王国の王女
- ハル・バーレル:帝国宇宙艦隊の士官
- アーン・アッバス:中央銀河系帝国皇帝。ザース・アーンの父
- ジャル・アーン:中央銀河系帝国第1王子。ザース・アーンの兄
- ショール・カン(Shorr Kan):暗黒星雲同盟の指導者。ニヒリスト
スターキングへの帰還
- ナラス・テイン:リアンナ王女の従兄弟。非人類種族から大きな支持を集める。
- サイン・クライヴァー:外宇宙辺境伯
- コーカン:リアンナ王女の臣下。テレパシーを持つ鳥型異星人
日本語訳
- The Star King
- なお、1957年に東京元々社より刊行された宇宙科学小説シリーズの一冊として「天界の王」(木川正男訳)の配本が予定されていたが、未刊である。[2]
関連項目
脚注
- ^ 「天界の王」(1973年、早川書房、ハヤカワ・SF・シリーズ)巻末 健筆の作家ハミルトン(野田宏一郎)より
- ^ 「時間と空間との冒険」(1957年、東京元々社、宇宙科学小説シリーズ)巻末 刊行予定より
外部リンク
- 翻訳作品集成>エドモンド・ハミルトン - 日本語訳された作品(短編を含む)の書誌情報
- Edmond Moore Hamilton Bibliography