カール・ジェラッシ

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カール・ジェラッシ
Carl Djerassi
生誕 (1923-10-29) 1923年10月29日
 オーストリア ウィーン
死没 2015年1月30日(2015-01-30)(91歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サンフランシスコ
国籍  オーストリア/アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 化学
主な業績 最初の経口避妊薬ノルエチステロンの開発
主な受賞歴 アメリカ国家科学賞(1973)
ウルフ賞化学部門(1978)
プリーストリー賞(1992)
プロジェクト:人物伝
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カール・ジェラッシ(Carl Djerassi、1923年10月29日 - 2015年1月30日[1])は、オーストリアウィーン出身のオーストリア系アメリカ人ブルガリア人化学者小説家劇作家である。元スタンフォード大学名誉教授

経口避妊薬の開発や有機化学への物理学的手法の適用、ステロイド等の天然物の構造解明等で功績を残し、これらの分野で1000報以上の論文を著した。

経歴

彼は1951年、メキシコのルイス・ミラモンテス及びジョージ・ローレンクランツとともにプロゲスチンノルエチステロンの開発に参加した。これは、プロゲステロンとは異なり、経口摂取しても効果が失われることがなく、また天然のホルモンよりも遥かに効果が強かった。彼の合成した物質は、グレゴリー・ピンカス張明覺によって、まず動物実験が行われ、その後、ジョン・ロックによってヒトの女性に適用された。

その他、ジェラッシは、Cantor's Dilemma等の何作かのSF小説も執筆している。この作品の中で、彼は主人公のDr. Cantorとして、近代科学研究の倫理を探索している。2010年王立協会外国人会員選出。

受賞歴

日本語訳のある文芸作品

  • 『カンター教授のジレンマ』中森道夫 訳 文藝春秋社 1994年
  • 『ノーベル賞への後ろめたい道』中森道夫 訳 講談社 2001年
  • 『男たちの薬』マクファーソン苗美 訳 講談社 2001年
  • 『ブルバキ・クローン作戦』中西亮爾 訳 講談社 2001年
  • 『あの世のマルクス』中西亮爾 訳 講談社 2001年

出典

  1. ^ 経口避妊薬の“生みの親”、カール・ジェラッシ氏が死去

外部リンク