エウフロシネ (小惑星)

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エウフロシネ
31 Euphrosyne
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯
発見
発見日 1857年9月1日
発見者 J. ファーガソン
軌道要素と性質
元期:2007年4月10日 (JD 2,454,200.5)
軌道長半径 (a) 3.149 AU
近日点距離 (q) 2.438 AU
遠日点距離 (Q) 3.860 AU
離心率 (e) 0.226
公転周期 (P) 5.59 年
軌道傾斜角 (i) 26.316°
近日点引数 (ω) 61.990°
昇交点黄経 (Ω) 31.236°
平均近点角 (M) 32.143°
物理的性質
直径 268±6 km[1]
(294±6) × (280±10) × (248±6) km[1]
自転周期 5.531 時間
スペクトル分類 C / Cb
絶対等級 (H) 6.74
アルベド(反射能) 0.0543
色指数 (B-V) 0.687
色指数 (U-B) 0.317
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エウフロシネ[2] (31 Euphrosyne) は、太陽系の比較的大きな小惑星のひとつ。火星木星の間の軌道を公転している。

2020年の観測(下参照)により、球形に近い形状であること、大きなクレーターは見られないことが判明した。衛星の存在から重量は(1.7±0.3)×1019 kg、密度は 1.7±0.2 g/cm3と算出された。エウフロシネの密度が低い理由としては、約20%がでできているためと考えられている[1]

命名[編集]

エウフロシネは北アメリカ大陸で初めて発見された小惑星であるが、その名称はギリシア神話に登場する、美と優雅の女神カリスたち(カリテス)三美神の一柱、エウプロシュネーラテン語表記に由来する。エウプロシュネとは「喜び」を意味する。

エウフロシネ族[編集]

エウフロシネは小惑星帯の中の、同様のスペクトル特性と軌道要素を共有する約2,000個の小惑星族の中心とされる。それらは約2億8000万年前の衝突で生じたと考えられている[1]。すべてのメンバーは比較的高い軌道傾斜角を持つ[3]。このグループで2番目に大きい(895)ヘリオは、おそらく軌道に侵入したと考えられる[4]

衛星[編集]

2019年ハッブル宇宙望遠鏡による観測で衛星が発見された。公転周期は1.2日、軌道長半径は670 kmと見積もられた。

2020年には超大型望遠鏡VLTのSPHERE(補償光学装置)とZIMPOL(チューリッヒイメージング偏光計)によるエウフロシネと衛星の観測が行われ、衛星の大きさが約4㎞であることが判明した(アルベドがエウフロシネと同じと仮定した場合)[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e Binary asteroid (31) Euphrosyne: Ice-rich and nearly spherical, (2020), arXiv:2007.08059 
  2. ^ 小惑星日本語表記索引 : 1 - 50”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
  3. ^ Novaković, Bojan et al. (November 2011), “Families among high-inclination asteroids”, Icarus 216 (1): pp. 69–81, arXiv:1108.3740, Bibcode2011Icar..216...69N, doi:10.1016/j.icarus.2011.08.016. 
  4. ^ Yang, B. et al. (November 2020), “Physical and dynamical characterization of the Euphrosyne asteroid family”, Astronomy & Astrophysics 643: 9, arXiv:2009.04489, Bibcode2020A&A...643A..38Y, doi:10.1051/0004-6361/202038567, A38 

関連項目[編集]

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