インテュイティブ・マシーンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Nissk (会話 | 投稿記録) による 2022年10月7日 (金) 10:59個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

インテュイティブ・マシーンズ
Intuitive Machines
市場情報 非上場
設立 2013年
業種 航空宇宙産業
事業内容 宇宙機の開発受託・製造
宇宙機の運用
代表者 Steve Altemus(CEO
外部リンク intuitivemachines.com
テンプレートを表示

インテュイティブ・マシーンズ英語: Intuitive Machines)はアメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに本社を置く航空宇宙企業。着陸機の開発などを行っている。

歴史

インテュイティブ・マシーンズは2013年、かつてNASAで月着陸機の開発を行ったProject Morpheusの中心メンバー達によって設立された[1]

2019年5月、NASAは商業月面輸送サービス(CLPS)でペイロードの輸送を請負う民間企業の第一弾としてインテュイティブ・マシーンズとアストロボティック・テクノロジー英語版を選定した[2]。2020年10月にはNASAのPRIME-1ドリルの月面への輸送をNASAから委託された[3]

月探査

インテュイティブ・マシーンズはNova-C、Nova-D、Nova-Mの3種類の月着陸機を開発している[4]

Nova-C

Nova-Cはインテュイティブ・マシーンズが開発中の月着陸機。2022年現在、IM-1IM-2、IM-3の3つのミッションが予定されている。

Nova-D

Nova-DはNova-Cよりも大型の月着陸機で、VR900エンジンを2基搭載し、タンクもNova-Cより大型化されている。月面へ500kg以上のペイロードを輸送する能力を持つ[4]

インテュイティブ・マシーンズはノースロップ・グラマンAVL、Lunar Outpost、ミシュランと共同で、宇宙飛行士の月面での移動が想定されているアルテミス計画用の月面車Lunar Terrain Vehicleの開発をNASAに提案している[5][6]。この企業チームの中でインテュイティブ・マシーンズは月への輸送を担当しており、月面車をNova-Dに搭載して地球から月面へ運ぶことを構想している[5][7]

Nova-M

Nova-Mはインテュイティブ・マシーンズ最大の月着陸機で、VR3500エンジンを2基搭載している。同社によると、Nova-Mは月面へ5,000kgのペイロードを輸送することができるという[4]。当初インテュイティブ・マシーンズはVR3500エンジンをボーイングがNASAのアルテミス計画の有人月着陸機 (HLS) での採用を目指し構想していた月着陸機で使用するエンジンとして開発していた[8]

μNova

着陸機ではないものの、月面の2地点間をロケットエンジンを噴射し跳躍するように移動するμNova(マイクロノバ)という宇宙機の開発も行われている。これは月面着陸後の着陸機から離陸し、内蔵されたエンジンを用いて飛行の後、離れた地点へ着陸する「ホッパー」という種類の探査機で、月の縦穴や急峻なクレーターの調査で使うことが見込まれている。最初のμNovaはIM-2ミッションへの相乗りを予定している[4]。IM-2に搭載されるμNovaは1kgのペイロードを載せた状態で月面を2.5km以上移動できるか試験する。以降のミッションではμNovaは5kgのペイロードを載せて25km移動することが目標となっている[8]

関連項目

脚注

  1. ^ NASA REVEALS 3 LUNAR LANDERS THAT WILL GATHER DATA FOR A FUTURE MOON BASE” (英語). インヴァース (2019年6月5日). 2022年4月23日閲覧。
  2. ^ NASA Selects First Commercial Moon Landing Services for Artemis Program”. NASA (2019年6月1日). 2022年1月10日閲覧。
  3. ^ NASA Selects Intuitive Machines to Land Water-Measuring Payload on the Moon”. NASA (2020年10月17日). 2022年2月9日閲覧。
  4. ^ a b c d Lunar Services”. Intuitive Machines. 2022年2月9日閲覧。
  5. ^ a b Northrop-led team proposes Artemis lunar rover”. SpaceNews (2021年11月16日). 2022年4月24日閲覧。
  6. ^ Highly specialized team to design vehicle for sustainable lunar surface mobility operations” (英語). ノースロップ・グラマン (2021年11月16日). 2022年4月24日閲覧。
  7. ^ Lunar Terrain Vehicle Defining Possible in Lunar Exploration.” (英語). ノースロップ・グラマン. 2022年4月24日閲覧。
  8. ^ a b Intuitive Machines adds third mission following first lunar landings in 2022”. NASASpaceflight.com (2021年8月13日). 2022年6月5日閲覧。

外部リンク