アルコール性肝疾患
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アルコール性肝疾患(アルコールせいかんしっかん、英Alcoholic liver disease)または、アルコール性肝障害とは、アルコールによって引き起こされる一連の肝臓疾患のこと。
アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変の順に進行する。
病因
飲酒によって血中に入ったアルコール(エタノール)は消化管で吸収され門脈を通って肝臓で代謝される。 肝臓では主に、以下によって代謝される。
- アルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH)
- アセトアルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase:ALDH)
- ミクロゾームエタノール酸化系(Microsomal Ethanol-Oxidizing System:MEOS)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/da/%E8%AA%AC%E6%98%8E%E5%9B%B3_%E9%85%B5%E7%B4%A0_%E8%A4%87%E5%90%88%E9%85%B5%E7%B4%A0.jpg/220px-%E8%AA%AC%E6%98%8E%E5%9B%B3_%E9%85%B5%E7%B4%A0_%E8%A4%87%E5%90%88%E9%85%B5%E7%B4%A0.jpg)
クリックで拡大・解説
脂肪酸生合成はアセチルCoA(炭素数2)を出発物質として、ここにマロニルCoA(炭素数3)が脱炭酸的に結合していく経路である。すなわち、炭素数2個ずつ反応サイクルごとに増加し、任意の炭素鎖を持った脂肪酸が作成されることとなる(脂肪酸#脂肪酸生合成系参照)[1]。
アルコールを大量・持続飲用することで、上記の代謝経路によって分解が追いつかず、かつ、代謝・合成された脂肪が肝臓に蓄積され、肝細胞に障害を与えて行く。
病理
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/24/Pathogenesis_alcoholic_liver_injury.jpg/300px-Pathogenesis_alcoholic_liver_injury.jpg)
病理組織学的に以下へ進行していく
- アルコール性脂肪肝
- 詳細は「脂肪肝」を参照
- アルコール性肝炎
- 詳細は「肝炎」を参照
- アルコール性肝硬変
- 詳細は「肝硬変」を参照
臨床像
症状
基本的に肝硬変に至るまで目立った症状はない。またアルコール依存症である場合も多く、治療コンプライアンスが維持できないことも多い。