コンテンツにスキップ

アルコール性肝疾患

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。貿易風 (会話 | 投稿記録) による 2012年4月22日 (日) 08:12個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎血液検査: (曖昧さ回避記事への内部リンクを修正))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アルコール性肝疾患(アルコールせいかんしっかん、Alcoholic liver disease)または、アルコール性肝障害とは、アルコールによって引き起こされる一連の肝臓疾患のこと。

アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変の順に進行する。

病因

飲酒によって血中に入ったアルコールエタノール)は消化管で吸収され門脈を通って肝臓代謝される。 肝臓では主に、以下によって代謝される。

  • アルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase:ADH)
エタノールアセトアルデヒドへと分解
  • アセトアルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase:ALDH)
  • ミクロゾームエタノール酸化系(Microsomal Ethanol-Oxidizing System:MEOS)
エタノールアセトアルデヒドまたはアセトアルデヒド酢酸(アセチルCoA)へと分解
複脂肪酸生合成系
クリックで拡大・解説

脂肪酸生合成アセチルCoA(炭素数2)を出発物質として、ここにマロニルCoA(炭素数3)が脱炭酸的に結合していく経路である。すなわち、炭素数2個ずつ反応サイクルごとに増加し、任意の炭素鎖を持った脂肪酸が作成されることとなる(脂肪酸#脂肪酸生合成系参照)[1]

アルコールを大量・持続飲用することで、上記の代謝経路によって分解が追いつかず、かつ、代謝・合成された脂肪が肝臓に蓄積され、肝細胞に障害を与えて行く。

病理

病理組織学的に以下へ進行していく

臨床像

症状

基本的に肝硬変に至るまで目立った症状はない。またアルコール依存症である場合も多く、治療コンプライアンスが維持できないことも多い。

血液検査

  • ASTALT:AST優位の上昇を示すことが多い。
  • γ-GTP:上昇傾向を示す

画像検査

脚注

  1. ^ 脂肪酸生合成

関連項目

外部リンク