きまぐれな予感

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気まぐれな予感』(きまぐれなよかん)は水沢めぐみによる少女漫画作品。また、同作品を表題とする短編集コミックス。

概要[編集]

水沢めぐみの2冊目のコミックスで、表題作の「気まぐれな予感」をはじめ、「とっておきのプロローグ」、「夏…そして秋」、「物語のはじまり」、「雨傘ワルツ」の全5作品が収録されている。ただし、現在このコミックスは絶版となっている。発売されたのは1984年10月で、この時、作者は大学2年生であった。最初のコミックス『5月のお茶会』の発売が1981年12月であるから、2冊目が出るまでに2年10ヶ月かかっている。なお、作者が高校時代に発表した作品は、デビュー作「心にそっとささやいて」から「夏草にのせて…」までの全7作品で、これらはすべてコミックス『5月のお茶会』と『きまぐれな予感』の2冊に収録されている。

収録作品[編集]

きまぐれな予感[編集]

初出「りぼんオリジナル」昭和59年(1984)春の号 51枚 カラー4ページ

作者が大学1年生の時の作品。デビュー作から数えて11作目。映画の制作をテーマとした青春ラブコメディ。吉井由布(よしい ゆう)と岩崎夢太(いわさき ゆめた)の2人は、高校2年生で、恋人同士。2人は同じ映画研究クラブに所属し、由布は助監督(雑用係)を、夢太は監督をつとめ、3年生の追い出し会のための作品を制作している。最初はヤクザ映画を撮影していたが、急きょ予定を変更してラブストーリーを作り、評判の悪いクラブの汚名返上をはかることに。そこで由布は夢太と力をあわせ、苦心の末にシナリオを完成させる。ところが、映画の出演を引き受けた演劇部の佐伯三奈子(さえきみなこ)に、大事なシナリオを勝手に変更されてしまう。しかも佐伯は岩崎に告白。由布と夢太の恋の行方は…?

とっておきのプロローグ[編集]

初出「りぼんオリジナル」 1984年(昭和59年)秋の号 49枚 カラー8ページ

作者が大学2年生の時の作品。デビュー作から数えて13作目。「きまぐれな予感」の続編で、同じ年の秋に発表されており、本編とあわせて、ちょうど100枚になる。やはり映画の制作をテーマとしたラブコメディ。なお、作品の登場人物にサークルの先輩や後輩の名前が用いられていることを、作者自身がコミックスで語っている。

夏…そして秋[編集]

初出「りぼん」 1980年(昭和55年)9月号 15枚

作者が高校2年生の時の作品。デビュー作から数えて4作目。主人公の名前は里穂(りほ)。麦わらぼうしとピアノの音を素材にした、幻想的な短編。

物語のはじまり[編集]

初出「りぼん」 1980年(昭和55年)11月号 31枚

やはり作者が高校2年生の時の作品。デビュー作から数えて5作目。前作「夏…そして秋」の直後に書かれている。2人の主人公は同姓同名で、男も女も佐藤(さとう)まさみ。佐藤まさみ(男)は、高校の文芸部員。ある時、校庭のすみにある木の穴の中に、1冊のノートがあるのを発見。そこに書いてあった物語がきっかけで、佐藤まさみ(女)と知りあい、やがて2人の恋の物語がはじまる。

雨傘ワルツ[編集]

初出「りぼん」 1983年(昭和58年)7月号 38枚

作者が大学1年生の時の作品。デビューから数えて9作目。早稲田大学に入学しての第1作である。木田裕司(きだ ゆうじ)は、A大法学部の2年生。ある雨の日、ふとしたことで見知らぬ女性(みづえ)にを貸してしまい、それ以来彼女のことが気になって仕方がない。それから2ヶ月後のある日、またしてもどしゃ降りの雨にあい、偶然に黒い雨傘をさした女の子と出会う。彼女は名前を添野舞(そえの まい)といい、B大文学部の1年生。実はみづえのなのだが、それを隠している。内気で人と話すのが苦手な木田だったが、徐々に彼女にひかれて行く。なお、1987年に発売されたイメージアルバム「空色のメロディ 水沢めぐみ作品集」に、この作品のイメージにもとづく楽曲「雨傘ワルツ」が収録されている。作詞・作曲は谷山浩子、歌は笠原弘子

コミックス[編集]