Unified Video Decoder

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

Unified Video Decoder (UVD)(以前はUniversal Video Decoderと呼ばれていた)はATI Technologiesの作成した動画のハードウェアデコーダーである。H.264VC-1の2つのビデオコーデックをサポートしており、AVIVOテクノロジーの一部である。

サポートしているOS[編集]

  • Windows - この技術の発表時からサポートしている。UVDは現在のところハードウェアアクセラレーションのためにWindowsXbox 360プラットフォームにおけるDXVAというAPIのみをサポートしており、したがってメディアプレーヤーはUVDを用いるためにはDXVAをサポートする必要がある。
  • Linux - 2008年10月からである。[1] RadeonのためにAMDによってデザインされたXvBAというAPIはLinuxUNIXX Window SystemにおけるX video extension (Xv)向けの拡張であり、これはUVDによるハードウェアアクセラレーションを利用できるようにする。[2]
  • Linux - 2013年4月からである。[3] NVIDIAによるVDPAU (Video Decode and Presentation API for Unix)経由でのオープンソースなUVDサポートが提供された。これは既存のMesa上のVDPAUステートトラッカーをベースにしている。

機能[編集]

UVD/UVD+[編集]

UVDはATIのXilleon動画プロセッサーに由来するもので、GPUと同じダイに組み込まれており、Advanced Video Processor (AVP)も同様に組み込まれている。AMDによれば、UVDはH.264/AVCとVC-1のデコードを完全にハードウェア上で行える。しかし、動画のポスト・プロセッシングはピクセルシェーダーとOpenCLカーネルに送られる。また、MPEG-2のデコードはサポートされているものの、UVDではなくシェーダーで行われる。このデコーダーはBlu-rayHD DVDの再生要件を満たしており、H.264/AVCならば40 Mbpsのビットレートまでデコード可能である。H.264/AVCにおけるCABACもサポートしている。

前世代のGPUにおけるアクセラレーションはかなりCPUの補助が必要であったが、UVDはほとんどの処理をオフロードできる。前時代のGPU(たとえばATI Radeon R520シリーズのAVIVOやNVidia GeForce 7シリーズのPureVideoはH.264やVC-1におけるビットストリーム/エントロピーの伸展ができなかったため、これらはCPUで行われた。[4] UVDはVLC/CAVLC/CABAC/フーリエ変換/動き予測/デブロッキングフィルタなどを処理できるが、ポスト・プロセッシングはシェーダーに任せる。[5] ポスト・プロセッシングとはノイズ除去/インターレース解除/拡大・縮小などである。AMDは65 nmプロセスにおいては、UVDはわずか4.7 mm²のダイ面積しか使用していないと主張している。

UVD+と呼ばれるUVDの変種は、Radeon HD 3000シリーズから搭載された。UVD+は高解像度の動画のためにHDCPをサポートした。[6] しかし、UVD+は単にUVDとしてマーケティングされている。

UVD 2[編集]

Radeon HD 4000シリーズの発表に伴い、UVDは大幅に更新された。UVD 2はH.264/MPEG-4 AVCやVC-1のビットストリームの完全なデコード、さらにMPEG-2のiDCT(離散コサイン変換)レベルのアクセラレーションも可能になった。性能の向上により二つのストリームを同時にデコードできるようになり、ピクチャー・イン・ピクチャーが可能になった。この結果、Blu-rayにおけるBD-Liveと完全に互換になった。

UVD 2.2[編集]

UVD 2.2はローカルのメモリインターフェースを再デザインし、H.264/VC-1/MPEG-2の動画との互換性を向上させた。しかし、マーケティング上は"UVD 2 Enhanced"として「特別なコアを用い、RV770/RV730シリーズで採用されたH.264/VC-1/MPEG-2を二つ同時にデコードできるもの」という扱いだった。UVD 2に対する追加アップデートとしてのUVD 2.2の立ち位置はこの様に表される。

UVD 3[編集]

UVD 3はMPEG-2ビットストリームのデコード、DivX/XvidのMPEG-4 Part 2によるデコード、Blu-ray 3DのMultiview Video Codingによるデコードをサポートした。[7] 更に120 Hzのステレオ3Dのサポート、CPUの補助の必要を減らす最適化などが行われた。

入手性[編集]

もともと、ATIはUVDをメインストリームであるRV550シリーズのGPUに搭載しようとしており、一つはHDMIを出力できる形で、もう一つはDVIを出力できる形で2006年12月に提供しようとしていた。しかし、現在まで関連する製品についての情報は発表されていない。RV550はOEM向けの商品であるという予測もあったが、キャンセルされたものもある。

ほとんどのRadeon HD 2000シリーズはUVDによる1080pの高解像度の動画のハードウェアデコードを実装していた。[8] しかし、Radeon HD 2900シリーズはUVDをサポートしていなかった(シェーダーによって部分的なサポートは可能であったものの)にも拘らず、Radeon HD 2900 XTのリリース前に製品ページとパッケージにUVDをサポートすると書かれてしまった。「ATI Avivo HDが有効である/明白にUVDである」で言うならば、前者のほうが正しかった。UVDを含まないということはAMDによって公式に発表された。[9]

UVD 2はRV7x0/R7x0シリーズで実装された。この中にはAMD 700チップセットシリーズのIGPであるRS7x0シリーズも含まれる。

UVDが有効なGPU[編集]

コードネーム モデル UVDのバージョン
Cayman Radeon HD 6900 Series UVD 3
Barts Radeon HD 6800 Series UVD 3
Turks Radeon HD 6600 Series
Radeоn HD 6500 Series
UVD 3
Caicos Radeon HD 6400 Series UVD 3
Hemlock注1
Cypress
Radeon HD 5900 Series
Radeon HD 5800 Series
UVD 2.2
Juniper Radeon HD 5700/6700 Series UVD 2.2
Redwood Radeon HD 5600/5500 Series UVD 2.2
Cedar Radeon HD 5400 Series UVD 2.2
RV790 Radeon HD 4890 Series UVD 2[10]
R700注1
RV770
Radeon HD 4800 X2 Series
Radeon HD 4800 Series
UVD 2
RV740 Radeon HD 4700 Series UVD 2.2
RV730 Radeon HD 4600 Series UVD 2.2
RV710 Radeon HD 4300/4500 Series UVD 2.2
RV670 Radeon HD 3800 Series UVD+
RV635 Radeon HD 3600 Series UVD+
RV620 Radeon HD 3400 Series UVD+
RV630 Radeon HD 2600 Series UVD
RV610 Radeon HD 2400 Series UVD
RS880 Radeon HD 4200/AMD 785G Chipset UVD 2
RS780
RS780D
Radeon HD 3200/AMD 780G Chipset
Radeon HD 3300 IGP/AMD 790GX Chipset
UVD [11]
M98 Mobility Radeon HD 4800 Series UVD 2
M96 Mobility Radeon HD 4600 Series UVD 2
M92 Mobility Radeon HD 4300/4500 Series UVD 2.2
M88 Mobility Radeon HD 3800 Series UVD+
M86 Mobility Radeon HD 3600 Series UVD+
M82 Mobility Radeon HD 3400 Series UVD+
M76 Mobility Radeon HD 2600 Series UVD
M72 Mobility Radeon HD 2400 Series UVD
M71注2 Mobility Radeon HD 2300 Series UVD
RV550 Unknown

付記:

  • 注1: デュアルGPUである。
  • 注2: バージョン 8.371もしくはそれ以降を用いないと、UVDをH.264向けに有効化した際にシステムがクラッシュすることがある。

脚注[編集]

  1. ^ Phoronix
  2. ^ AMD's X-Video Bitstream Acceleration
  3. ^ AMD Releases Open-Source UVD Video Support
  4. ^ (中国語)HardSpell review
  5. ^ Smith, Ryan (2010年2月24日). “AMD’s Radeon HD 5450: The Next Step In HTPC Video Cards”. AnandTech. AnandTech, Inc. p. 4. 2010年4月7日閲覧。 “Since deinterlacing and other AVIVO post-processing actions are done by the shader hardware, the limited shading capabilities of these cards meant that AMD couldn’t offer the full suite of AVIVO abilities at once.”
  6. ^ (中国語) PC-DVD discussion thread, retrieved August 23, 2008
  7. ^ http://www.dailytech.com/Radeon+6800+Series+Launches+Targets+GeForce+GTX+460/article19928.htm by Jansen Ng, 10/21/2010 DailyTech
  8. ^ HKEPC report
  9. ^ DailyTech report
  10. ^ http://translate.google.com/translate?hl=en&sl=zh-CN&tl=en&u=http%3A%2F%2Fwww.tomshardware.tw%2F664%2Cnews-664.html
  11. ^ http://www.tomshardware.com/reviews/amd-785g-chipset,2381-3.html

外部リンク[編集]