MSC (海運業)
MSC(Mediterranean Shipping Company S.A.)はスイスのジュネーヴに拠点を置く[1]世界有数の海運会社。2009年段階で376隻のコンテナ船を運用し、その積載能力は1,250,000TEUに達している。コンテナ船の船腹面積では、マースクライン(世界第一位)に次ぐ第二位を誇る。
歴史
MSCは、イタリアのソレント生まれの実業家・船主のジャンルイジ・アポンテ(Gianluigi Aponte)が1970年に最初の貨物船を購入した際に設立された。彼は当時、地中海・ソマリア間を中心に様々な貨物を海上運送していた。
最初は小さな定期船会社だったMSCは1977年にはヨーロッパ北部、アフリカ、インド洋に航路網を拡大し、1980年代末には北米やオーストラリアにも路線を伸ばし、世界有数の規模のコンテナ船会社へと成長した[1]。1994年には、中古船を使用し続けてきた同社としては初となる新造船をイタリアの造船会社フィンカンティエリに発注し、1996年に 「MSC Alexa」として就航させている[1]。1989年にはクルーズ客船を運航するラウロ・ラインズを子会社とし、1995年にMSCクルーズ(MSC Cruises)と改名している[1]。
MSCは現在もアポンテ家により経営されており、他の大手海運会社の傘下には入っていない。本社はスイスのジュネーヴに、船舶運航の本部はナポリ近郊のピャーノ・ディ・ソッレントにあり、世界350か所に置かれた支店や事務所がさまざまな運送形態での物流に対応している。コンテナターミナル運営会社、物流に関する情報システムの構築するソフト会社など多数の物流関係子会社を経営し、グループ全体では3万人近い従業員を雇用する。2008年にはインドに新たな本部ビルである「MSC House」を開業させた。
またハブ港湾をベルギーのアントワープ港に置き、「MSC Pamela」など世界でも有数の大きさのコンテナ船を使ってアジアやアフリカ、ヨーロッパ、アメリカなど世界中の270か所以上のコンテナ港湾を結んでいる。
日本法人
エムエスシージャパン。住所:東京都港区赤坂 1-12-32 アーク森ビル23F (最寄駅:溜池山王・六本木一丁目)
脚注
- ^ a b c d “The history of MSC Mediterranean Shipping Co. SA”. Swiss Deep-sea Shipping. 2010年8月10日閲覧。