Graph500
Graph500は、スーパーコンピューターの大規模データ解析性能の世界ランキングである。
概要
スーパーコンピューター(以下、スパコン)の数値計算性能ランキングにTOP500があるが、TOP500では有効に計測されない大規模データ処理の処理性能を競う。ビッグデータの活用が重要視される大規模データ処理の性能指標として注目が高まっている。
Graph500は、グラフ構造の幅優先探索処理の性能としてのTEPS[1]を指標に用いる。TEPSによる指標は、Webページのリンク解析、ソーシャルグラフ解析、POS(販売時点情報管理)データの相関分析、高度道路交通システム(ITS)など、情報化社会のインフラにとって本質的なものである。
Graph500の結果を元にし、Green500と同様に消費電力(ワット数)当たりのTEPS/Wを算出したランキングGreen Graph500も発表されている。
Graph500 リスト
2014年
2014年6月発表[2]
順位 | 設置場所 | システム(アーキテクチャ) | ノード数 | プログラムスケール | GTEPS |
---|---|---|---|---|---|
1 | 理化学研究所 | 京 (富士通) | 65536 | 40 | 17977 |
2 | ローレンス・リバモア国立研究所 | セコイア (Blue Gene/Q) | 65536 | 40 | 16599 |
3 | アルゴンヌ国立研究所 | IBM Mira (Blue Gene/Q) | 49152 | 40 | 14328 |
4 | ユーリヒ総合研究機構 | JUQUEEN (Blue Gene/Q) | 16384 | 38 | 5848 |
5 | CINECA | Fermi (Blue Gene/Q) | 8192 | 37 | 2567 |
京は理化学研究所、東京工業大学、九州大学、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン、科学技術振興機構の合同チームによるアルゴリズム最適化によって、同一ハードウェアで3倍以上の高速化が実現した[3][4]。
2013年
2013年6月発表[5]
順位 | 設置場所 | システム(アーキテクチャ) | ノード数 | プログラムスケール | GTEPS |
---|---|---|---|---|---|
1 | ローレンス・リバモア国立研究所 | セコイア (Blue Gene/Q) | 65536 | 40 | 15363 |
2 | アルゴンヌ国立研究所 | IBM Mira (Blue Gene/Q) | 49152 | 40 | 14328 |
3 | ユーリヒ総合研究機構 | JUQUEEN (Blue Gene/Q) | 16384 | 38 | 5848 |
4 | 理化学研究所 | 京 (富士通) | 65536 | 40 | 5524.12 |
5 | CINECA | Fermi (Blue Gene/Q) | 8192 | 37 | 2567 |
脚注・出典
- NEC TSUBAME2.0がスパコンの世界ランキング「The Graph 500」にて世界3位! 2011年11月21日
- 東京工業大学 学術国際情報センター HPCI資源提供機関を利用した日本チームがスパコンの世界ランキング「The Graph 500」にて世界3位と4位!
- IT pro ビッグデータ解析性能を競う「Graph 500」で「京」が初の首位 2014年6月24日
- PC Watch ビッグデータ処理性能のスパコンランキングで日本勢が二冠 2014年6月25日
- ^ Traversed Edges Per Second 1秒間にたどるグラフのエッジ数
- ^ http://www.graph500.org/results_jun_2014
- ^ ビッグデータ解析性能を競う「Graph 500」で「京」が初の首位 ITpro
- ^ スーパーコンピュータ「京」がGraph500で世界第1位を獲得 理化学研究所 広報活動
- ^ http://www.graph500.org/results_jun_2013