Graph500

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Graph500は、グラフ(ネットワーク構造)探査性能ベースのベンチマークに基づく、高性能計算コンピュータのランキングである。

概要[編集]

これまでにTOP500で使われてきたベンチマークとして、HPLやHPCG(Conjugate Gradient、共役勾配法)があり、それぞれ計算対象が密行列か疎行列かという違いはあるものの、倍精度浮動小数を要素とする行列の演算(特に乗算)を多用して、大規模な連立一次方程式を解くというベンチマークである点は共通で、連立一次方程式を解くというタスクは科学技術計算に多くのアプリケーションがあるとはいえそれでは一面的であることから、それ以外の指標にもとづくランキングが求められていたことなどからできた、新しいランキングの一つである。

具体的には、TEPS(Traversed Edges Per Second 1秒間にたどるグラフのエッジ数)を指標に用いる。「Webページのリンク解析、ソーシャルグラフ英語版解析、POS(販売時点情報管理)データの相関分析、高度道路交通システム(ITS)など、情報化社会のインフラにとって本質的なものである」などと業界ジャーナリズムは書いている。

やはりベンチマークであること(すなわち、実アプリケーションとは大なり小なり隔たりはあるだろうこと)には変わりないが、少なくともこれまでのTOP500のそれとは異なる切り口であることは確かである。「TOP500では有効に計測されない大規模データ処理の処理性能を競う」であるとか「ビッグデータの活用が重要視される大規模データ処理の性能指標として注目が高まっている」、などと業界ジャーナリズムは書いている。TOP500他と同様、毎年6月にドイツで開催されるInternational Supercomputing Conference (ISC)と毎年11月に米国で開催されるACM/IEEE Supercomputing Conference (SC)で発表される。

Green500と同様に、Graph500をベースにさらに消費電力で割った値TEPS/WによるランキングGreen Graph500もある。最新のリストは2018年11月のSC18で発表されている。

Graph500 リスト[編集]

2017年[編集]

2017年6月発表[1]。日本の「京」が5期連続1位

順位 設置場所 システム(アーキテクチャ ノード数 プログラムスケール GTEPS
1 理化学研究所計算科学研究機構(日本) 富士通 82944 40 38621.4
2 国家スーパー計算無錫センター(中国) 神威・太湖之光NRCPC 40768 40 23755.7
3 ローレンス・リバモア国立研究所(米国) セコイアIBM 98304 41 23751
4 アルゴンヌ国立研究所(米国) Mira(IBM 49152 40 14982
5 ユーリヒ総合研究機構ドイツ語版(ドイツ) JUQUEEN(IBM 16384 38 5848

2016年[編集]

2016年6月発表[2]

順位 設置場所 システム(アーキテクチャ ノード数 プログラムスケール GTEPS
1 理化学研究所 (富士通) 82944 40 38621.4
2 国家超級計算無錫中心 神威·太湖之光 (Sunway TaihuLight、NRCPC - Sunway MPP) 40768 40 23755.7
3 ローレンス・リバモア国立研究所 セコイア (Blue Gene/Q) 65536 40 16599
4 アルゴンヌ国立研究所 IBM Mira英語版 (Blue Gene/Q) 49152 40 14328
5 ユーリヒ総合研究機構ドイツ語版 JUQUEEN (Blue Gene/Q) 16384 38 5848
6 CINECAイタリア語版 Fermi (Blue Gene/Q) 8192 37 2567

2016年6月、ドイツフランクフルトで発表されたGraph500のベンチマーク結果で、京は2015年6月から3期連続1位となった[3](2014年11月は2位)。

2014年[編集]

2014年6月発表[4]

順位 設置場所 システム(アーキテクチャ ノード数 プログラムスケール GTEPS
1 理化学研究所 (富士通) 65536 40 17977
2 ローレンス・リバモア国立研究所 セコイア (Blue Gene/Q) 65536 40 16599
3 アルゴンヌ国立研究所 IBM Mira英語版 (Blue Gene/Q) 49152 40 14328
4 ユーリヒ総合研究機構ドイツ語版 JUQUEEN (Blue Gene/Q) 16384 38 5848
5 CINECAイタリア語版 Fermi (Blue Gene/Q) 8192 37 2567

京は理化学研究所、東京工業大学九州大学ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン科学技術振興機構の合同チームによるアルゴリズム最適化によって、同一ハードウェアで3倍以上の高速化が実現した[5][6]

2013年[編集]

2013年6月発表[7]

順位 設置場所 システム(アーキテクチャ ノード数 プログラムスケール GTEPS
1 ローレンス・リバモア国立研究所 セコイア (Blue Gene/Q) 65536 40 15363
2 アルゴンヌ国立研究所 IBM Mira英語版 (Blue Gene/Q) 49152 40 14328
3 ユーリヒ総合研究機構ドイツ語版 JUQUEEN (Blue Gene/Q) 16384 38 5848
4 理化学研究所 (富士通) 65536 40 5524.12
5 CINECAイタリア語版 Fermi (Blue Gene/Q) 8192 37 2567

脚注・出典[編集]

関連[編集]

外部リンク[編集]