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F1手榴弾

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F1手榴弾ロシア語表記Ф-1)は第二次世界大戦初期に旧ソ連で開発された手榴弾である。ソ連軍兵士からは形状から「レモン」の愛称で呼ばれていた。

F1手榴弾
F1手榴弾
F1手榴弾

アメリカ製のMk.2手榴弾に似た、ネズミ捕りスプリング(ストライカー)点火方式のパイナップル型手榴弾。ただし、Mk.2の前身のMk.1手榴弾の元になったフランス製のパイナップル型もF1手榴弾という名であり、鋳造製の本体形状も似ているため、こちらが原型と考えられる。

有効殺傷範囲は半径20~30m内、手榴弾の種別は防御型手榴弾に分類される。炸薬にはTNT火薬60gが使用され、信管部分を含めた手榴弾自体の重量は600g、また爆発までの遅延時間は約3-4秒ほど(ブービートラップ用のものは0秒)で手榴弾の表面には投擲時に手から滑らない様に表面の溝が深く設計されている。

第二次世界大戦の初期頃から生産が開始され、その後も数回の改良を行いながらロシア軍では現在も使用されている。手榴弾表面色は非常に濃い緑色のほかにオリーブ色が使用される。

大戦後、F1手榴弾はワルシャワ条約機構により共産圏諸国に配備及びライセンス生産が行われ、東側諸国の軍隊では代表的な手榴弾となった。またベトナム戦争では南ベトナム解放民族戦線軍(通称:ベトコン)の代表的手榴弾の一つとして使用されている。

このほかにも、F1手榴弾とほぼ同じ形状でありながら表面が滑らかなRGD-5手榴弾РГД-5)も生産されている。

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