食糧庁 (アイルランド)

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食糧庁
Bord Bia
食糧農業水産省配下公共機関概要
設立年月日1994年12月1日 (1994-12-01)
継承前組織
  • アイルランド食肉畜産委員会
    - Córas Beostoic agus FeolaIrish
  • 00- An Bord Tráchtála
種類公共機関
管轄アイルランド
本部所在地ダブリン市2区 Lower Mount Street, Clanwilliam Court
行政官
  • Michael Carey(議長)
主な文書
  • Irish Food Board Act, 1994
ウェブサイト公式サイト

アイルランド食糧庁(アイルランドしょくりょうちょう、: Bord Bia, : Irish Food Board)は、国内外で食料品ならびに園芸品の販売促進を目的とした公共機関英語版[1]

この省庁の施策は生産者の規模の大小を問わず対象にしており、小規模生産者にはファーマーズマーケットの運営を認定して促進し、大規模生産者には海外マーケティングに関するサービスを幅広く提供する。

施策の一部には革新と「ベストプラクティス」(最善の慣行)を基準にした、より良い生産方法の奨励促進がある。成長戦略報告書『Pathways for Growth』によると、アイルランドには次の課題がある。

「農業を世界規模の産業とするため2016年までに農業開発戦略をまとめて、世界で最も効率的で最も革新的な食料飲料生産国を目指す[2]。」

沿革[編集]

アイルランド貿易委員会の食品促進担当部署は1994年に食肉畜産委員会(: Coras Beostoic agus Feola)と合併して食糧庁を設立する。園芸産業開発部門の併合(Bord Glas 2004年)を経て、水産業開発部門は2009年にBIM(Bord Iascaigh Mharaigh)から引き継いだ。

組織[編集]

自国の生産者と世界中の顧客を結ぶリンクとして機能するため、アムステルダム上海ニューヨークなどの都市に15海外拠点を置き職員は137名[3]

予算規模は、2008年の広告キャンペーン(2008年から2013年)経費として3000万ユーロ[4]。また2009年の「ウラクタス助成金」は年間総額2800万ユーロを受け、予算総額は他の収入(助成金割り当て、賦課金など)を合算すると約4350万ユーロ[5]

開発[編集]

世界初の全国的な持続可能性食品生産プログラムとして、2017年より食品認証制度「オリジン・グリーン」Origin Green[6]を始めた[7][8][9]持続可能な開発に寄与するよう、畜産における節水や廃棄物処理からCo2排出量の測定まで生産者に努力目標があり、製品に付けるステッカーのロゴはこのスキームを象徴する[10]

2011年5月には2020年の目標値を発表、2010年標準と比較して食品輸出を40%増加させるとした[11]。これに対して2019年の輸出総額は130億ユーロ、取引先は180市場のチェーンストア[1]など1500件超とされる[3]。牛肉は65万t[12]

出典[編集]

  1. ^ a b アイルランド外務・通商省: “味 - アイルランド産の食品について”. ireland.ie - this is Ireland. アイルランド政府. 2021年3月6日閲覧。
  2. ^ Bia publishes ‘Pathways for Growth’ for Ireland’s Food Sector”. 2010年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月14日閲覧。
  3. ^ a b ジョー・ムーア食糧庁日本韓国担当官(Manager, Japan & Korea) Bord Bia「アイルランド政府、Bord Biaへのご紹介」(en, ja)『The Future of Irish Food and Drink in Japan』在日アイルランド商工会議所、2019年、1-3頁https://www.ijcc.jp/sites/default/files/Joe%20Moore%20IJCC%20Presentation%20-%20cut%20down.pdf2021年3月5日閲覧 
  4. ^ Advertising Activities by Bord Bia (Irish Food Board)” (pdf). 2012年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月14日閲覧。
  5. ^ Annual report 2009”. 2011年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月14日閲覧。 更新不明。
  6. ^ Tara McCarthy 食糧庁 CEO. “A Message from our CEO”. www.origingreen.ie. Origin Green. 2021年3月6日閲覧。 “Verified Origin Green members account for 90% of our food and drink exports and over 70% of our domestic retail market. Accreditation at farm-level is provided to ISO: 17065 and Carbon Trust (PAS 2050)(認証を受けた生産者は食品輸出の90%を担い、国内流通分の70%を占める。それぞれ個別に国際規格の認証を申請する。)※=ISO 17065カーボンフットプリント(二酸化炭素排出量目標=de:PAS 2050)”
  7. ^ Aidan Cotter 食糧庁CEO (2017年1月). “AGRICULTURE & FISHERIES / IRELAND | "The first national food sustainability agenda"”. The Business Report. 2017年7月14日閲覧。
  8. ^ Quality Assurance”. 2011年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月4日閲覧。
  9. ^ アイルランド政府食糧庁 Bord Bia(ボードビア)アイルランド産グラスフェッドビーフを紹介するウェブサイトを開設”. 時事ドットコム. 時事通信 (2020年12月18日). 2021年3月6日閲覧。牧草を食べて育ったウシの肉。
  10. ^ Ontdek de lekkerste recepten met heerlijk mals Iers rundvlees” (オランダ語). Irishbeef.nl. Irish Beef. 2021年3月6日閲覧。
  11. ^ Bord Bia wants 40% increase in food exports - News”. www.rte.ie. RTÉ (2011年5月27日). 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月6日閲覧。
  12. ^ 食品産業新聞社 (2020年11月27日). “アイルランド 2019年は牛肉65万tを世界に輸出、品質は世界でベストと自信/アイルランド政府食糧庁(ボードビア)”. 食品産業新聞社ホームページ. 2021年3月6日閲覧。

外部リンク[編集]