通夜

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通夜(つや)とは、葬儀前夜に夜通しで行う儀式のことである。仏教においてのみならず、神道キリスト教においても行われる。

仏教の通夜[編集]

仏教の通夜は故人の成仏を祈ることではない。故人との別れの最後の夜ということで、かつては大夜(たいや)といい大事にしてきた。故人との別れに集まった親しき人々が故人の遺体を取り囲み、故人の思い出話を通して語り合う夜のことである。 起源は、釈迦の入滅後、悲しんだ弟子たちが遺体を見守りながら、お釈迦様が生涯をかけてお話しされたお説法を弟子たちが夜通しお互い聞き合ったという故事による。つまり、通夜は本来僧侶から故人の死をご縁にして日々の生活の中で薄くなっている仏様の教えを夜を通して聞かせていただくことを主旨とするものであるが、現在は時間的制約もあり、僧侶の読経の中、近親者、知人が焼香をするという形の「セレモニー」と化していることが多い[要出典]。 通夜という故人最後の日を大事にし、日々の生活に忙しく出会うことがあまりない仏縁に出会えたのであるから、僧侶を中心とし通夜の意味、葬儀の意味をしっかりと聞くことが大事であろう。

「線香や蝋燭を絶やさないために、一晩中起きておかねばならない」という俗言は現代ではあまり意味のないことである。かつて、ドライアイスなどの冷蔵技術が無かった頃は、夏の暑いときなど遺体を置いておくと腐敗臭が発し、その臭いを線香や香を焚くことにより消したのであろうと考えられる。一晩持つ蚊取り線香型の線香は、江戸時代に発明されたものである。しかし現代では遺体から臭いが発せられることもないから一晩中線香を焚く必要もない。また、近親者も故人の看病や葬儀の準備などで疲労していることもあるので、葬儀の前の晩「お通夜」の夜に無理に一晩中起きている必要もないと言える。

現在殆どの場合、通夜は遺体を納棺した後祭壇を組んで行うことが多いが、遺体を納棺せずに布団に寝かしたまま通夜を行い通夜の後納棺しても良いのである。

神道の通夜[編集]

神式の通夜は「通夜祭」と呼ぶ。

キリスト教の通夜[編集]

カトリックやプロテスタントの多くは前夜式と呼ぶのが一般的である。通夜とは言わない。

正教会にはギリシャ語の語源で「夜通しの祈り」を意味する、「パニヒダ」という永眠者の為の式典がある。日本正教会では葬式前晩のパニヒダを通夜と呼ぶ事を忌避していない[1]

西方教会では「前夜式」、「通夜式」などと呼ばれる。

地域差[編集]

地方によっては、通夜を行わない風習を持つ地域もある(秋田県の一部など。秋田市や青森県弘前市では一般的に火葬を行ってから、通夜(逮夜)・告別式を行うことが多い)。また、昼間に勤務などで告別式に参列できないなどで、近親者以外は通夜のみに参列し、告別式には参列しないのが一般的な地域もある(北海道の一部の地域など)。逆に通夜は近親者のみ参列し、一般の参列者は葬儀にのみ参列するのが一般的な地域もある(東北地方の一部の地域など)。但し、これらの事情は絶対的なものではないので、地域の事情と異なる方へ参列しても無礼となることではない。

転語[編集]

転じて、大敗北が確定などきわめて場の空気が凍った状態のことを指すこともある。

脚注[編集]

関連項目[編集]