裸官

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裸官(らかん、ルオグワン 拼音: luǒguǎn)とは中華人民共和国の腐敗官僚の一種。「裸体官員」又は「裸体做官」の略語とされ、中国には資産や家族を置かず、すぐに海外逃亡可能にしている状態が「はだか」と称されている。

概要[編集]

配偶者や子女などの家族を留学等の名目で外国に移し、家族に外国の国籍市民権を取得させ、国内で汚職などによって不正蓄財した財産を外国に送金し、本人は官僚として単身で中国国内にとどまっている者を指す。単身赴任の逆のような状態とも言える。中国で不祥事が発覚したら、本人は家族が待っている外国へすばやく逃亡(亡命)し、不正蓄財も差し押さえられないような状況にしているのである。

家族の滞在先である外国はアメリカイギリスカナダオーストラリアフランスなど、移民を受け入れやすく中国と犯罪人引渡し条約を締結していない西側先進諸国が多い。滞在先には裸官の家族らによってコミュニティーが形成されており、「裸官村」と呼ばれることもある。中には、裸官の愛人も海外に住まわせる例もあり、愛人が集中しているコミュニティーは妾村(めかけむら)と呼ばれることもある[1]

2011年に中国社会科学院が行った調査によると、1990年代中期以降に海外逃亡した政権幹部の人数は1万8000人、持ち出した金額は8000億元(約10兆円)に上る。

裸官は中国の官僚の家族の動向が外国勢力によって握られてしまい、政策決定に影響を及ぼしかねないことが問題視されている。

2014年中国共産党の調査により全国で県級以上の3,200人余りが特定され、内約1000人が降格処分とされた[2]

脚注[編集]

  1. ^ 「官僚 すでに海外には身ひとつで逃げた者たちの「裸官村」が出現!」『SAPIO』、2013年6月号、東京、小学館
  2. ^ 中国当局、家族が海外移住の官僚1000人を降格 ロイター 2014-12-16

関連書籍[編集]

  • 澁谷司、『中国高官が祖国を捨てる日―中国が崩壊する時、世界は震撼する』(経済界新書)、2013年、東京、経済界 ISBN 978-4766720433
  • 朝日新聞中国総局、『紅の党 習近平体制誕生の内幕』、2012年、東京、朝日新聞出版 ISBN 978-4022510297

関連項目[編集]