腰簑

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腰簑(こしみの)は、腰にまとい、腰から下を覆う、短い簑である[1]

フラダンスで着用することがある。装束でも用いられる。

概略[編集]

材料は、(すげ)、(がま)その他である。

石川県能美郡の藁製のドギノは腰簑の1つであろうという。

越中石動山でも行われていた[2]

肥前五島お盆の「おねおみで念仏」の蒲製の袴[3]も腰簑の1つであろうという。

伊勢山田の羯鼓踊の菅製の腰簑はツクといい[4]、かつては漁労者、また猿引きなどが着けた。

「筆の霊」には、「腰簑の状は西行物語の画、十二類の画巻、また福富草紙の絵などの中にも見えたり、今猟師の著る物と同じくて、大方腰のほどにのみまとひぬ」とあり、「板坂卜斎記」、関ヶ原の戦いののち石田治部少輔の捕はれる条に、「笠を被り腰簑をして端折れり」とあり、「応仁乱消息」には、織田信長の装束について、「御腰簑白熊」とあるから、必ずしも民間、下層に限られたものではなかったらしい。

脚注[編集]

  1. ^ "腰簑". 精選版 日本国語大辞典. コトバンクより2022年10月26日閲覧
  2. ^ 『人類学雑誌』11巻、126号
  3. ^ 『風俗画報』8
  4. ^ 『三重県案内』