聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領 (ボッティチェッリ)

『聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領』
	イタリア語: Comunione di san Girolamo; 英語: The Last Communion of Saint Jerome
作者	サンドロ・ボッティチェッリ
製作年	1494-1495年
種類	板上にテンペラ
寸法	34.3 cm × 25.5 cm (13.5 in × 10.0 in)
所蔵	メトロポリタン美術館、ニューヨーク

『聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領』（せいヒエロニムスのさいごのせいたいはいりょう、伊:Comunione di san Girolamo）は、1494年から1495年ごろに制作された、イタリアのルネサンス期の巨匠サンドロ・ボッティチェッリによる絵画である。現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている。

小さな本作は、聖エウセビウスによる三つの外典中の手紙のいずれかに触発されたものである。聖ヒエロニムスは死ぬ前に、聖エウセビウス自身から最後の聖体拝領を受けた。通常、聖ヒエロニムスは書斎の中に描かれ、この場面で描かれるのは非常にまれである。本作は制作された時期の、フィレンツェでのジロラモ・サヴォナローラの説教に関連している。一部の学者によって裕福な商人フランチェスコ・デル・プッリエーゼとして特定された作品の依頼者は、実際にはフェラーラ出身のサヴォナローラの追随者であったのだろう^[1]。

本作と同じ主題は、ボローニャのバロック画家アゴスティーノ・カラッチが現在、ボローニャ国立絵画館にある作品で、また同じくバロックの画家ドメニキーノがヴァチカン美術館の絵画館にある作品で描いている。

脚注[編集]

^ “Archived copy”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月23日閲覧。

参考文献[編集]

Christiansen, Keith (Fall 1983), “Early Renaissance Narrative Painting in Italy”, The Metropolitan Museum of Art Bulletin 41 (2): pp. 12–14
Horne, Herbert P. (March 1915), “The Last Communion of St. Jerome by Sandro Botticelli”, The Metropolitan Museum of Art Bulletin (Metropolitan Museum of Art) 10 (3): pp. 39+52–56, doi:10.2307/3254048, JSTOR 3254048, https://jstor.org/stable/3254048
(April 1915), “The Last Communion of St. Jerome by Sandro Botticelli (Continued)”, The Metropolitan Museum of Art Bulletin (Metropolitan Museum of Art) 10 (4): pp. 72–75, doi:10.2307/3253504, JSTOR 3253504, https://jstor.org/stable/3253504
(May 1915), “The Last Communion of St. Jerome by Sandro Botticelli (Concluded)”, The Metropolitan Museum of Art Bulletin (Metropolitan Museum of Art) 10 (5): pp. 101–105, doi:10.2307/3253423, JSTOR 3253423, https://jstor.org/stable/3253423
Zeri, Federico; Gardner, Elizabeth E. (1971), Italian Paintings: A Catalogue of the Collection of The Metropolitan Museum of Art. Vol. 1, Florentine School, New York: Metropolitan Museum of Art, pp. 159–163

外部リンク[編集]

artonline.itのページ(イタリア語)
メトロポリタン美術館のページ

[1] “Archived copy”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年6月23日閲覧。

[1]

表話編歴サンドロ・ボッティチェッリ
初期の作品	『グィーディ・ダ・ファエンツァの聖母』（1465年頃）『聖母子と天使（フィレンツェ）』（1465年-1467年）『ロッジアの聖母』（1467年頃）『聖母子と少年聖ヨハネ、二人の天使』（1468年頃）『聖母子と二人の天使（ナポリ）』（1468年–1469年頃）『聖母子と二人の天使（ワシントン）』（1465年-1470年頃）『セラフィムのいる栄光の聖母子』（1469年-1470年）『バラ園の聖母』（1469年-1470年）『ユディトのベツリアへの帰還』（1469年-1470年）『ホロフェルネスの遺骸の発見』（1469年-1470年）『剛毅』（1470年）『5人の天使に囲まれる聖母子』（1470年頃）『聖母子と天使（ボストン）』（1470年頃）『サンタンブロージョの祭壇画』（1470年頃）『聖セバスティアヌス』（1474年）『聖母子と若い洗礼者聖ヨハネ』（1470-1475年頃）『コジモ・イル・ヴェッキオのメダルを持つ男の肖像』（1475年頃）『東方三博士の礼拝』（1475年–1476年頃）『ジュリアーノ・デ・メディチの肖像（絵画館）』（1478年）『ジュリアーノ・デ・メディチの肖像（ワシントン）』（1478年）『幼児キリストを礼拝する聖母と洗礼者聖ヨハネ』（1475年-1480年頃）
1480年代の作品	『ラウンデルを持つ青年の肖像』（1480年頃）『書斎の聖アウグスティヌス（オニッサンティ教会）』（1480年）『書物の聖母』（1480年-1481年頃）『マニフィカートの聖母』（1481年）『受胎告知（フレスコ）』（1481年頃）『青年の肖像（ワシントン）』（1483年頃）『モーセの試練』（1481年-1482年）『反逆者たちの懲罰』（1481年-1482年）『プリマヴェーラ』（1482年頃）『パラスとケンタウロス』（1482年頃）『ヴィーナスの誕生』（1483年頃）『ナスタージョ・デリ・オネスティの物語、第一話』（1483年）『ナスタージョ・デリ・オネスティの物語、第二話』（1483年）『ナスタージョ・デリ・オネスティの物語、第三話』（1483年）『青年の肖像（ロンドン）』（1483年）『若い女性の肖像』（1480年-1485年）『ヴィーナスとマルス』（1485年頃）『若い婦人に贈り物をするヴィーナスと三美神』（1483年–1486年頃）『七人の自由学芸に紹介されている青年』（1483年–1486年頃）『バルディ家の聖母』（1485年頃）『ザクロの聖母』（1487年頃）『パリスの審判』（1485年-1488年頃）『チェステッロの受胎告知』（1489年）『受胎告知（メトロポリタン美術館）』（1485年–1492年頃）
1490年代以降の作品	『キリストの哀悼（ミュンヘン）』（1490年–1492年頃）『聖母子と3人の天使』（1493年頃）『キリストの哀悼（ミラノ）』（1490年-1495年頃）『聖三位一体』（1491年–1493年頃）『書斎の聖アウグスティヌス（ウフィツィ美術館）』（1490年–1494年頃）『聖ヒエロニムスの最後の聖体拝領』（1494年-1495年頃）『誹謗』（1494年-1495年頃）『聖母子と幼児聖ヨハネ』（1490年–1500年頃）『ゲツセマネの祈り』（1495年-1500年頃）『神秘の降誕』（1500年–1501年頃）『ルクレティアの物語』（1496年-1504年）『ウェルギニアの物語』（1500年-1504年）『聖ゼノビウスの生涯の場面』（1500年-1505年頃）