聖セバスティアヌス (ボッティチェッリ)

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『聖セバスティアヌス』
作者サンドロ・ボッティチェッリ
製作年1474年
寸法195 cm × 75 cm (77 in × 30 in)
所蔵ベルリン絵画館、ベルリン

聖セバスティアヌス』(せいセバスティアヌス、イタリア語: San Sebastiano) は、1474年にフィレンツェのサンタ・マリア・マッジョーレ教会のために制作された、イタリアルネサンス期の画家サンドロ・ボッティチェッリによるキリスト教の聖人、聖セバスティアヌスの名を冠した絵画である。ベルリン絵画館に所蔵されている。

批判と影響力[編集]

ケネス・クラークは、この絵画を素晴らしいものと見なしたが、それは古典的な彫刻に見られる、調和のとれた休息の精神に近いものがあるとしたためだった。

50年以上もの間、ドナテッロダヴィデ像を継ぐ作品がなかった理由は、いくつかある・・・さらに一つは、フィレンツェ人の気質に内在する落ち着きのなさである。 アポロンは、静的である。その仕草は威厳があり穏やかである。しかし、フィレンツェ人は動きを愛していた。より暴力的であるほど良いのである。クワトロチェント(1400年代)後期の裸体像の二人の偉大な巨匠、ポッライオーロとボッティチェッリは、格闘しているヘラクレス、または空を飛ぶ天使のエネルギーか、恍惚とした動きを具象化することに関心があり、ボッティチェッリは『聖セバスティアヌス』で一度だけ見事な休息中の裸体像を作り上げている[1]

ライナー・マリア・リルケの詩「サンクト・セバスチャン (聖セバスティアヌス)」(ノイエ・ゲディヒテ、1907年)は、リルケの翻訳者J.B. ライシュマンとジェーン・デイヴィッドソン・リードが述べたように、ボッティチェッリの絵画と、描写と雰囲気において密接に対応しているようである[2]

脚注[編集]

  1. ^ Kenneth Clark, The Nude: A study in ideal form, 1956, ch. 2, "Apollo."
  2. ^ Jane Davidson Reid, "Rilke's Sebastian and the Painters," Art Journal 27 (1967), pp. 24-33 + 39.