田原村 (静岡県)

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たはらむら
田原村
廃止日 1956年(昭和31年)9月1日
廃止理由 編入合併
田原村(彦島の一部・西島・三ヶ野・玉越・明ヶ島)→磐田市
田原村(彦島の一部・新池・松袋井)→袋井町
現在の自治体 磐田市、袋井市
廃止時点のデータ
日本の旗 日本
地方 中部地方東海地方
都道府県 静岡県
磐田郡
市町村コード なし(導入前に廃止)
総人口 2,159
国勢調査1925年10月1日
隣接自治体 袋井町、浅羽村、磐田市
田原村役場
所在地 静岡県磐田郡田原村彦島403番地2
座標 北緯34度43分59秒 東経137度53分56秒 / 北緯34.733度 東経137.89881度 / 34.733; 137.89881 (田原村)座標: 北緯34度43分59秒 東経137度53分56秒 / 北緯34.733度 東経137.89881度 / 34.733; 137.89881 (田原村)

磐田地域の町村制施行時の町村。59が田原村。
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田原村(たはらむら)は、かつて静岡県磐田郡にあったである。現在の磐田市と袋井市の一部に当たる。

沿革[編集]

  • 1889年(明治22年)4月1日 - 山名郡西島村・彦島村・新池村・松袋井村・三ヶ野村・玉越村・明ヶ島村が合併し、山名郡田原村が発足。
  • 1896年(明治29年)4月1日 - 磐田郡が山名郡を編入。磐田郡田原村となる。
  • 1956年(昭和31年)9月1日 - 彦島の一部・西島・三ヶ野・玉越・明ヶ島が磐田市へ、彦島の一部・新池・松袋井が磐田郡袋井町へ、それぞれ分割編入により消滅。

村名の由来[編集]

村内を流れる「太田川」と「原野谷川」から一文字ずつとって「田原村」と名付けた。

名所・旧跡[編集]

「耕地整理発祥の地」記念碑
耕地整理発祥の地
山名郡彦島村で名倉太郎馬が実施したのが日本で最初の近代的な耕地整理事業[1][2][3]である。
その後、全国でお手本とされる。
三ヶ野松並木
東海道五十三次、見付宿へとつづく松並木は、江戸時代の面影を現在も残している。
大日堂
三ヶ野坂の突端の山を大日山、俗に大日堂と呼んでいる。古くから民衆信仰の霊山、名所古跡として知られ、大日如来が祀られている。大日堂は、旧東海道の横を通過しているため交通の要所にある。1572年(元亀3年)、上洛を目指す武田信玄が遠江へ進出し、太田川の東に位置する木原に陣をおいた。これを迎え撃つため、徳川勢は浜松城を出陣、三ヶ野、見付宿、一言坂と戦った。大日堂がある高台は、その時、本多平八郎が登って敵を見張った「本多平八郎物見の松」があった場所と言い伝えられている(二代目の松が枯れてしまい、今は、三代目が育ちつつある)。
加賀爪氏館[4]跡(かがづめしかん)
家康に従い、旗本として存続した加賀爪氏の屋敷跡。
須賀神社の楠
三ヶ野橋東側にある須賀神社の境内にそびえるクスノキは度重なる太田川の氾濫でも流されず500年以上生きた。高さ9m、樹の周り4m。
二子塚1号墳
三ヶ野地区には古墳が37基発見された。この中で最初に造られた古墳が二子塚古墳(1号墳)で、5世紀末頃に造られた。二子塚1号墳は、全長55mの前方後円墳で、幅5mの周溝は墳丘に沿って鍵穴状に掘られている。この周溝の中からは多くの埴輪が見つかった。この時期の前方後円墳としては遠州地方で他に例を見ないことや、出土した埴輪や馬具から遠州地方を支配した王の墓であったと考えられている。

合併問題[編集]

昭和29年春頃から合併問題が持ち上がり、磐田派と袋井派の意見が対立した。村内ではたびたび県の仲介を受けて話し合いが持たれ、昭和31年に一旦は、村全体が磐田市と合併することで話がまとまった。しかし、結果的には一つにまとまれず、彦島の一部・松袋井・新池は分かれて磐田郡袋井町(現・袋井市)に編入する「分村合併」となった。当時、彦島には村役場と村立の小学校があったが、知事裁定により役場と小学校を含む一部の彦島だけが磐田市に、それ以外の大部分の彦島は袋井にそれぞれ分かれており、現在[いつ?]も解消されていない。

脚注[編集]

  1. ^ 1872年(明治5年)に、自己所有の田で畦畔改良を行う
  2. ^ 1875年(明治8年)、水田所有者の権利利害を調整し、官費を借り入れて、蟹田川の流路変更のための開削工事及び彦島村全体33haの道路・畦畔の直線化、用排水路の整備等の畦畔改良工事を内容とする集団的区画整理事業を完成させた
  3. ^ 1903年(明治36年)、田原村全体の耕地整理 (285ha) が完成する
  4. ^ 別名は「加賀爪氏屋敷」、所在地は袋井市新池字高木

参考資料[編集]

  • 静岡県市町村合併沿革誌
  • 地図から消えた袋井の地名 第1回 歴史に裂かれた「田原村」(袋井市立図書館だより)
  • 『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目[編集]