歯石

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歯肉縁周囲についている黄変部が歯石(歯肉縁上歯石)

歯石(しせき、calculus, tartar)は、歯に付着したプラーク石灰化したもの[1]で、容易に除去できない歯の沈着物である。歯肉縁より上に出来るものを歯肉縁上歯石、歯肉縁より下に出来るものを歯肉縁下歯石といい、それぞれ性質が異なる。歯石自体には病原性はないとされるが、新たなプラークが付着しやすくなるため、歯周疾患の原因とされ、歯石の除去は歯周治療においてとても重要である[1]

歯肉縁上歯石[編集]

唾液由来の黄白色もしくは灰白色の歯石で唾液腺の開口部が好発部位である。形成速度は速いが歯面への固着力は弱くスケーラーにて容易に除去することができる。

歯肉縁下歯石[編集]

歯肉溝内もしくはポケット内の歯肉溝滲出液[1][2]や感染した歯周組織[2]からの浸出液、血液[1]由来の暗褐色の歯石である。特に好発部位はない。形成速度は歯肉縁上歯石に比べると遅いが密度が高く、除去は困難である[2]

成分[編集]

歯肉縁上歯石では16~51%(最大80%)が、歯肉縁下歯石では32~78%が無機質で残りが有機質である[1]

無機質[編集]

四種類のリン酸カルシウムを主成分[2]とし、他に炭酸カルシウムリン酸マグネシウムなどが存在する[1]

有機質[編集]

菌体成分剥離上皮細胞白血球等が存在する[1]。歯肉縁上歯石では唾液糖タンパク質も含まれる[1]

予防[編集]

最も基本的な予防としてブラッシングがある[2]が、個人での完全なプラーク除去は不可能とされる[3]

ピロリン酸酢酸亜鉛入りの歯磨剤は有効である[2]

除去[編集]

歯周基本治療においてスケーリングルートプレーニングにて除去される。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h 出口眞二 「第2章 歯周疾患の特徴と関連因子 1.歯周疾患の局在性修飾因子と症状 1.歯石」『ザ・ペリオドントロジー』 和泉雄一沼部幸博山本松男木下淳博永末書店京都市上京区2009年10月14日、第1版、66-67頁。ISBN 978-4-8160-1208-2NCID BA9190312X
  2. ^ a b c d e f Bob ten Cate 「8 ミネラル平衡における唾液の役割:う蝕、酸蝕症ならびに歯石の形成」『唾液 歯と口腔の健康』 Michael Edgar, Colin Dawes, Denis O'Mullance、監訳:渡部茂  訳:稲葉大輔王宝禮香西克之高橋信博田隈泰信廣瀬弥奈光畑智恵子本川渉渡部茂医歯薬出版東京都文京区2008年6月10日(原著2004年8月)、第2版第1刷(原著第3版)、102-114頁。ISBN 978-4-263-44266-1
  3. ^ Bellini H T, Arneberg P, von der Fehr F R. (1981). “Oral hygiene and caries. A review.”. Acta Odontol Scand 39 (5): 257-265. PMID 7039213. 

関連項目[編集]