屋久島電工

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
屋久島電工株式会社
YAKUSHIMA DENKO CO.,LTD.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
891-4205
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦939
設立 1952年6月5日
業種 化学
法人番号 9010001031290 ウィキデータを編集
事業内容 炭化ケイ素等の製造、電力の供給
代表者 金井徹
資本金 20億600万円
売上高 63億3700万円
(2023年3月期)[1]
営業利益 ▲5億4700万円
(2023年3月期)[1]
経常利益 ▲5億7300万円
(2023年3月期)[1]
純利益 ▲6億0600万円
(2023年3月期)[1]
純資産 67億1900万円
(2023年3月期)[1]
総資産 191億3200万円
(2023年3月期)[1]
主要株主 太平洋セメント
主要子会社 ヤクデン商事(100 %)
外部リンク http://www.yakuden.co.jp/
テンプレートを表示

屋久島電工株式会社(やくしまでんこう、: YAKUSHIMA DENKO CO.,LTD.)は、鹿児島県熊毛郡屋久島町に本社を置く企業。日本で唯一[2]炭化ケイ素の製造を行うほか、屋久島島内に3か所の水力発電所を有し、農協九州電力送配電などを通じて島内の一般家庭へ電力の供給を行う。

事業所[編集]

子会社[編集]

沿革[編集]

  • 1952年 - 屋久島電気興業株式会社設立。
  • 1953年 - 千尋滝発電所完成。当時の出力は1,000 kWで、1979年に1,300 kWに増強した。
  • 1959年 - 屋久島電工株式会社に社名変更。
  • 1960年 - 安房第一発電所・炭化ケイ素第一工場完成、島内への電力供給開始。安房第一発電所の当時の出力は10,900 kWで、1963年に23,200 kWに増強した。
  • 1979年 - 安房第二発電所(出力32,000 kW)完成。

製品[編集]

水力発電[編集]

千尋滝発電所(出力1,300 kW)、安房第一発電所(出力23,200 kW)、安房第二発電所(出力32,000 kW)、と3か所の水力発電所を所有。炭化ケイ素の製造に使用するほか、1960年より上屋久町(現在の屋久島町北部)へは上屋久町電気施設協同組合、屋久島町安房地区へは安房電気利用組合、その他の地区へは種子屋久農業協同組合九州電力送配電を通じて島内の民生用電力を供給する。一部施設には直接供給を行う。渇水時に備え、火力発電所も所有している[3]

日本では、電気事業法により10の送配電事業者が各地域の電力の送配電を独占的に行なっている一方で、その送配電区域では正当な理由なく電力供給を拒むことができない供給義務を課された体制で電気事業が行われてきた。これに従えば屋久島は九州電力送配電の送配電区域であるが、電気事業法の「特定供給の許可」を経済産業大臣から受けることにより、屋久島電工から電力の供給を受けた各組合が各戸に直接配電事業を行う異例の体制が採られてきた[3]。これは2020年現在で、日本で唯一である。

しかし規模の大きな九州電力が経営努力により経費を削減し電力料金の値下げを行うようになると、規模の小さな屋久島電工の供給する電力はかえって割高なものとなる時期も発生する。その上、工場で必要とする電力が大きいため電圧の変動が激しく、精密な音響機器などは使えないといった問題がある。このため九州電力送配電への電気事業の全面移管を求める声もあるが、黒字の電力事業を手放したくない各配電組合は否定的で、また九州電力送配電も配電設備を九州電力送配電並みの水準に整備した上で無償引き渡しをするのでなければ受け入れられないという態度を示している[4][5]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 屋久島電工株式会社 第83期決算公告
  2. ^ DBJ News 2009年2月26日日本政策投資銀行
  3. ^ a b 日本版スマートグリッドは離島から始まる!”先進地”黒島・屋久島現地ルポ”. 東洋経済オンライン (2011年8月18日). 2016年1月10日閲覧。
  4. ^ “企画[けいざい万華鏡-地域は奔る] 屋久島/電気自給自足の島=「九電移管」に温度差”. 南日本新聞. (2000年12月3日) 
  5. ^ “上屋久町などの水力発電料金=屋久島電工、九電より高くなる?”. 南日本新聞. (1995年12月20日) 

外部リンク[編集]