地域包括支援センター

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地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)は、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。

センターには、保健師、主任ケアマネジャー社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互連携しながら業務にあたる。

法律上は市町村事業である地域支援事業を行う機関であるが、外部への委託も可能である。要支援認定を受けた者の介護予防マネジメントを行う介護予防支援事業所としても機能する。

経緯[編集]

基本的な考え方は在宅介護支援センターの全国組織の報告書[1]にその原型を見ることができる。厚生労働省は増え続ける医療・介護・福祉などの費用を抑えるため、自己負担の割合を増やしたり、医療や福祉から介護部分を切り出して介護保険制度を創設したり、どちらかといえば対症療法的な対応をとってきたが、団塊の世代が高齢者となる近い将来に限界が来るとして、予防に軸足をおいた政策に転換したといえる。

予防政策が効果を表すには時間がかかるとして、要介護状態になる前の要支援、要支援になる前のハイリスクグループ(特定高齢者)を継続的にマネジメントするために地域包括支援センターと介護予防支援事業所の一体的運営がされるように法律上の組み立てがされている。

運営に関して[編集]

  • これまで市町村の在宅支援センター等で行われていた相談業務等を外部委託できることにより市町村窓口負担の軽減がされている。
  • 専門的な知識を持つ職員によりきめ細かい相談業務が行われている。
  • 人口が10万人を超える都市や小規模自治体の一部は外部の法人(社会福祉法人等)に対してそれぞれ地域毎に委託運営されているが、委託形式の場合立ち入り調査等に関して一定の制限が設けられている為に虐待等の発見及び対処が十分にされない場合がある他、相談援助を希望してきた高齢者及びその家族に対する地域の事業所紹介が運営受託法人優先になる傾向があり、利用者・関係事業者への公平な対応がなされていない現状もある[2]
  • 受託法人が社会福祉法人に事実上限定されるために、特定の法人による地域への影響力が増す事例もある[3]

脚注[編集]

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  1. ^ これからの在宅介護支援センターの在り方(全国在宅介護支援センター協議会)
  2. ^ 比較的対応しやすい街の中心部の利用者を受託法人の傘下の事業所に廻して、郊外や過疎地域等の訪問サービス等の実施に経費がかかりやすい事案を他の事業所に廻すなどの事案もあり、都道府県・自治体から運営に関して指導事例がある
  3. ^ 例としては、自治体の地域における中心部を事実上の自治体管理団体である社会福祉協議会に委託、それ以外を特定の社会福祉法人に運営受託させており、それぞれの法人が事実上利用者の囲い込みを行っている現状も確認出来る

関連項目[編集]

外部リンク[編集]