危機妊娠センター
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危機妊娠センター（ききにんしんセンター、英語: crisis pregnancy center（CPC）, pregnancy resource center（PRC）[1]）は妊婦に人工妊娠中絶（以下、中絶）の手術を受けないよう説得するために設立された非営利団体の一種[2][3]。本項では略称としてCPCsを使用する。CPCsは中絶、妊娠、出産のピアカウンセリングを行う他、経済支援、育児支援、養子縁組の紹介など医療以外のサービスを提供することもある[4][5][6]。診療所としての資格を持つCPCsは妊娠検査、超音波検査などのサービスを提供する[7]。一方で、CPCsは主に中絶による身体的・精神的リスク、稀にコンドームの有効性と性感染症の予防について誤った医療知識を広めていることが頻繁に確認されている[8]。
CPCsは通常、厳格な社会保守主義を順守する観点のキリスト教徒によって運営されている[9]。アメリカ合衆国全土では2017年時点で、中絶を扱う診療所が808あるのに対し[10]、約2,300のCPCsの施設が存在する[11]。合衆国外ではカナダ、ラテンアメリカ、アフリカ、ヨーロッパで数百ものCPCsが活動している[12][13]。これらのCPCsは合衆国内の組織によって運営されたり合衆国内の組織から資金援助を受けたりしており、合衆国内のものと似た戦略を用いる[14]。2001年から2009年にわたるジョージ・W・ブッシュの任期にCPCsは連邦政府から数千万ドルの補助金を受領した[15]。2015年時点で全米の半数以上の州が直接的、もしくはChoose Life license platesの販売により間接的に、あるいはその併用と妊娠危機センターの資金援助を行った[16]。
CPCsに関する法的、行政的な対応として一般的に、中絶を実施できるように見せかけている施設を対象に、サービスを提供していないことやその資格を所持していないことを開示するよう求め[17]、偽装表示を抑制しようとしている[18]。1993年には、National Institute of Family and Life Advocates（NIFLA）が設立され、合衆国内のCPCsに法的なアドバイスを行っている[2][19][20]。
脚注[編集]
出典
- ^ “About Us” (英語). Heartbeat International. 2012年5月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月26日閲覧。
- ^ a b Bazelon, Emily (2007年1月21日). “Is There a Post-Abortion Syndrome?” (英語). The New York Times: p. cover story 2007年11月6日閲覧。
- ^ Chandler, Michael Alison (2006年9月9日). “Antiabortion Centers Offer Sonograms to Further Cause” (英語). The Washington Post: p. html 2008年2月24日閲覧。
- ^ Cooperman, Alan (2002年2月21日). “Abortion Battle: Prenatal Care or Pressure Tactics?”. Washington Post. オリジナルの2015年9月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Arkansas Right To Life – Abortion Alternatives Adoption Help Pregnancy Centers”. Artl.org (2011年2月4日). 2011年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月18日閲覧。
- ^ “Celebrate Sanctity of Human Life Week with K-LIFE! | K-LIFE FM”. Klife.org (2010年1月15日). 2011年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月18日閲覧。
- ^ “This state just became the first to crack down on deceptive anti-abortion pregnancy centers”. Mother Jones. 2021年8月15日閲覧。
- ^ Bryant-Comstock, Katelyn; Bryant, Amy G.; Narasimhan, Subasri; Levi, Erika E. (February 2016). “Information about Sexual Health on Crisis Pregnancy Center Web Sites: Accurate for Adolescents?”. Journal of Pediatric and Adolescent Gynecology 29 (1): 22–25. doi:10.1016/j.jpag.2015.05.008. PMID 26493590.
- ^ Gibbs, Nancy (2007年2月15日). “The Grass-Roots Abortion War”. Time. オリジナルの2007年2月18日時点におけるアーカイブ。
- ^ Jones, Rachel K.; Witwer, Elizabeth; Jerman, Jenna (2019-09-18). Abortion Incidence and Service Availability in the United States, 2017. doi:10.1363/2019.30760.
- ^ Kimport, Katrina; Kriz, Rebecca; Roberts, Sarah C.M. (July 2018). “The prevalence and impacts of crisis pregnancy center visits among a population of pregnant women”. Contraception 98 (1): 69–73. doi:10.1016/j.contraception.2018.02.016. ISSN 0010-7824. PMID 29505747.
- ^ Mehler Paperny, Anna (2016年5月20日). “Crisis pregnancy centres mislead women, report says” (英語). Global News. 2020年4月19日閲覧。
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- ^ Ludden, Jennifer (2015年3月9日). “States Fund Pregnancy Centers That Discourage Abortion” (英語). NPR. 2021年8月24日閲覧。
- ^ Lewin, Tamar (1994年4月22日). “Anti-Abortion Center's Ads Ruled Misleading”. The New York Times
- ^ AP (1991年9月21日). “Congressional Inquiry Examines Reports of Bogus Abortion Clinics”. The New York Times 2013年8月17日閲覧。
- ^ Silverstein, Helena (2007). Girls on the stand: how courts fail pregnant minors. NYU Press. p. 200. ISBN 9780814740316
- ^ NIFLA Archived August 19, 2010, at the Wayback Machine.