会計参与

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

会計参与(かいけいさんよ)とは、日本法において、取締役等と共同して計算書類等を作成する株式会社その他の法人の機関株主総会取締役取締役会監査役等とならぶ、株式会社(ただし特例有限会社を除く)、相互会社および特定目的会社における内部機関の一つである。また、一部の協同組織金融機関でも設置可能となる。2005年7月に公布された会社法2006年5月1日施行)および同法の関係法律整備法により新設された。

銀行などの中小企業向け融資では会計参与が設置されている会社に対して条件優遇を行おうという動きが一部にあるが[1]、どこまで浸透・拡大するかは今後次第である。

  • 会社法について以下では、条数のみ記載する。

沿革[編集]

会社法を制定するにあたり、中小企業の計算書類の適正を担保する制度の整備も課題となっていた。この要請に応えるため、法制審議会が取りまとめた「会社法制の現代語化に関する要綱試案」では、大会社にのみ強制されていた会計監査人による監査の制度を中小企業にも任意的に認めることとした。しかし、中小企業が会計監査人を設置することは、費用面からみて現実的でなく、「中小企業の実態を無視している」との批判があがった。そこで、反対意見や日本税理士会連合会の提言等に基づき、会計専門家(公認会計士税理士)を計算書類の作成に関与させる会計参与の制度が「会社法制の現代語化に関する要綱」の中に盛り込まれ、最終的に会社法に規定されることとなった[2]

設置できる株式会社の形態[編集]

特例有限会社を除くすべての株式会社で任意的に設置が認められるが、唯一の例外として、取締役会を設置しながら監査役を設置しない株式会社(委員会設置会社以外の非公開中小会社にのみこの形態が認められる)については、会計参与の設置が義務付けられている。(327条2項ただし書

主体[編集]

公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人であることを要する(333条1項)。株式会社又はその子会社の取締役、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人との兼任は不可である(333条3項1号)。また会計監査人との兼任もできない(337条3項2号)。 その他、業務停止処分を受けた等欠格事由がある(333条2号3号)。

法律関係[編集]

委任に関する規定に従うものとされる(330条380条)。

選任・解任[編集]

株主総会の決議によって選任される(329条1項)。任期については取締役についての規定が準用される(334条1項、332条1項)。解任についての規定は341条。選任・解任の際には株主総会における意見陳述権が保障されており(345条1項)、辞任後の意見陳述権もある(345条2項)。

職務[編集]

374条から379条会社法施行規則102条から104条に定めがある。

  • 計算書類等の作成
  • 会計参与報告の作成
  • 会計帳簿等の閲覧請求権、会計報告請求権
  • 業務財産調査権
  • 子会社調査権
  • 費用前払請求権
  • 法令違反等の株主等への報告(375条1項)
  • 取締役会への出席義務、意見陳述義務
  • 株主総会での説明義務、意見陳述権(取締役執行役)と意見が異なる場合)
  • 計算書類等の備置・開示(会計参与が定めた場所での備置・開示)

役員としての責任[編集]

会計参与は会社に対して責任を負い(423条1項)、株主代表訴訟の対象になる(847条)。また会計参与は対第三者責任も負う(429条1項、2項2号)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本経済新聞2006年5月15日
  2. ^ 内布光「中小企業における『会計参与』制度創設に伴う諸課題」現代法学(12)、2007年