ロードハウナナフシ

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ロードハウナナフシ
Dryococelus australis 02 Pengo.jpg
ロードハウナナフシ Dryococelus australis
保全状況評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 CR.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ナナフシ目 Phasmatodea
: ナナフシ科 Phasmatidae
: Dryococelus
: ロードハウナナフシ D. australis
学名
Dryococelus australis
Montrouzier, 1885

ロードハウナナフシ (Dryococelus australis) は、1930年に絶滅したと考えられ、2001年に再発見された昆虫である。その最大の分布域であるロード・ハウ島では絶滅しており、「最も希少な昆虫」として知られている。というのも、再発見された個体群が小島であるボールズ・ピラミッドにある30個体以下からなっているためである。

形態と行動[編集]

成体の大きさは雌で体長15cm、体重25g、雄はより小さい。この大きさのために時としてland lobster(陸のザリガニ)とかwalking sausage(歩くソーセージ)などと呼ばれる。体は細長く、頑強な脚を持つ。雄には奇妙な刻み目がある。ナナフシ類には基本的にはがあるが、この種は翅を持たない。

このナナフシの行動は、昆虫としては特に変わっている。雄と雌はある種のつがい状態を形成する。雄は雌の後について、雌の動きに合わせて運動する。つがいは夜間には雄が三対の足で雌を包むようにして休息する。

雌は低木の枝からぶら下がって産卵する。孵化には9か月を要し、孵化した幼生は初めは明るい緑色で昼間に活動するが、成熟すると黒くなって夜行性となる。

歴史と保護[編集]

このナナフシは、かつてはロード・ハウ島では普通種であり、釣り餌として使われたこともある。絶滅したのは1918年に、これは補給船makamboがやってきた時であったが、この島にクマネズミが持ち込まれてすぐのことであった。最後の個体が確認されたのは1920年で、これ以降はこの種は絶滅したと考えられた。

1960年代にロッククライミングの一隊が、ロードハウ島の東南23kmにある石柱のような島であるボールズ・ピラミッドにやって来た。ボールズ・ピラミッドは、世界で最も高くて孤立した石柱状の島である。島には樹木がなく、極端に険しく、最高点は海抜562mである。そこでクライマーはロードハウナナフシの死体を発見した。それから数年の間に、さらに数個体の死体が発見されたが、生きた個体を探す調査は成功しなかった。

2001年に、昆虫学者と自然保護団体からなる調査隊がこの島の動物相植物相を調べるために上陸した。そして驚いたことにこのナナフシの個体群を再発見したのである。それは一本のMelaleucaフトモモ科ティートリーの仲間)の低木の下で、個体数は極めて少なく20-30個体だけだった。

2003年に、ニューサウスウェールズ自然公園と野生動物局の調査隊がボールズ・ピラミッドを再び訪れ、二組の交配中の番いを採集し、一組はシドニーの個人的な飼育者に渡され、もう一組はメルボルン動物園へ持ち込まれた。最初は困難もあったが、無事に飼育下での繁殖は成功した。最終的な目的は、この種をロードハウ島へ再導入するのに十分なだけの個体数の確保である。2006年現在では、飼育下の個体群は50程の個体と、孵化を待っている1000程の卵からなっている。

参考文献[編集]