ラクトバチルス・デルブルエッキイー

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ラクトバチルス・デルブルエッキイー
L. d. bulgaricus
分類
ドメイン : 細菌 Bacteria
: フィルミクテス門 Firmcutes
: バシラス綱 Bacilli
: ラクトバシラス目 Lactobacillales
: 乳酸桿菌科 Lactobacillaceae
: ラクトバシラス属 Lactobacillus
: L. デルブルエッキイー
L. delbrueckii
学名
Lactobacillus delbrueckii (Leichmann 1896) Beijerinck 1901
亜種
  • L. d. bulgaricus
  • L. d. delbrueckiiT
  • L. d. indicus
  • L. d. jakobsenii
  • L. d. lactis
  • L. d. sunkii

ラクトバチルス・デルブルエッキイーLactobacillus delbrueckii)は、ホモ乳酸発酵を行うグラム陽性細菌である。

形態は糸状に近い桿菌。様々な発酵プロセスや天然の発酵物、あるいは動物消化器官や尿路系から分離される。株により多様性が大きいが、いくつかの単糖類や少数の二糖類を発酵でき、乳酸を合成、増殖する。

以前は分離源などを元に数種に分かれていたが、DNA-DNA分子交雑法で高い相同性を示すこと、そのほかの性質にも大きな違いがないことから、1984年に統合された[1]。本種はラクトバチルス属のタイプ種に指定されている。種名の由来は、ドイツの農芸化学者マックス・デルブリュックへの献名である。

タイプ株はサワー・グレイン・マッシュ[2]から分離されたATCC 9649株である。ラクトバチルス・デルブルエッキイー・ブルガリクスは、ヨーグルトの生産に頻繁に用いられる。

ラクトバチルス・デルブルエッキイー・ブルガリクス[編集]

L. delbrueckiiの亜種の1つであるL. d. bulgaricusは、1905年ブルガリアの医師スタメン・グリゴロフによって、ブルガリアのヨーグルトから発見された。長くLactobacillus bulgaricusとして知られていたが、1984年に本種に統合され亜種扱いとなった。乳糖から乳酸を合成することができ、大抵はStreptococcus thermophilusと共存している。ヨーグルト生産に最も一般的に使われる菌である。

L. bulgaricus GLB44などのL. d. bulgaricusのいくつかの株もバクテリオシンを産生し、in vitroで望ましくない細菌を殺すことが示されている[3]

参考文献[編集]

  1. ^ Weiss, N., Schillinger, U., Kandler, O. (1983). “Lactobacillus lactis, Lactobacillus leichmannii and Lactobacillus bulgaricus, Subjective Synonyms of Lactobacillus delbrueckii, and Description of Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis comb. nov. and Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus comb. nov.”. Syst. Appl. Microbiol. 4 (4): 552-7. doi:10.1016/S0723-2020(83)80012-5. PMID 23194812. 
  2. ^ https://www.dsmz.de/catalogues/details/culture/DSM-20074.html
  3. ^ Simova, E. D.; Beshkova, D. M.; Angelov, M. P.; Dimitrov, Z. P. (2008). “Bacteriocin production by strain Lactobacillus delbrueckii ssp. Bulgaricus BB18 during continuous prefermentation of yogurt starter culture and subsequent batch coagulation of milk”. Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology 35 (6): 559–567. doi:10.1007/s10295-008-0317-x. PMID 18273656.