ヨーロッパヒメトガリネズミ

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ニシヒメトガリネズミ
ニシヒメトガリネズミ Sorex minutus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 真無盲腸目 Eulipotyphla
: トガリネズミ科 Soricidae
: トガリネズミ属 Sorex
: ニシヒメトガリネズミ
S. minutus
学名
Sorex minutus
Linnaeus, 1766[2]
和名
ニシヒメトガリネズミ[3]
英名
Eurasian pygmy shrew[2]

ヨーロッパヒメトガリネズミ[4] (Sorex minutus) は、哺乳綱真無盲腸目トガリネズミ科トガリネズミ属に分類される哺乳類。標準和名はニシヒメトガリネズミ[3]北ヨーロッパに広く分布し、アイルランドに自生する唯一のトガリネズミである[5]

分類[編集]

以前はサハリンや北海道の個体群を亜種カラフトヒメトガリネズミSorex minutus gracillimusとして含めていた[6]。1965年に陰茎の形態が異なることから極東産が別種ヒメトガリネズミS. gracillimusとされるようになり、のちに染色体数の違いからも両種を区別することが支持されている[7]

生態[編集]

落ち葉の下に住み、小さい昆虫や無脊椎動物を捕食する[8]。昼も夜も活動的である。体重は平均約4g程度であり[5]新陳代謝率の最も高い動物の1つで、約2時間ごとに餌を食べなければならない[9]

繁殖期は4月から8月で、メスは地下の巣で2匹から8匹の子を育てる。寿命は15カ月程度であるが、妊娠期間が3週間程度なので、1年に5回まで出産することができる[8]

ヨーロッパトガリネズミS. araneusと本種(左)の大きさの比較

出典[編集]

  1. ^ Hutterer, R., Kryštufek, B., Fernandes, M. & Meinig, H. 2016. Sorex minutus (errata version published in 2017). The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T29667A115171222. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T29667A22316362.en. Accessed on 05 April 2022.
  2. ^ a b Hutterer, R. (2005). Wilson, D.E.; Reeder, D.M. (eds.). Mammal Species of the World: A Taxonomic and Geographic Reference (3rd ed.). Johns Hopkins University Press. p. 292. ISBN 978-0-8018-8221-0. OCLC 62265494
  3. ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  4. ^ D.W.マクドナルド編・今泉吉典監修「食虫目・貧歯目・翼手目・有袋目全種名リスト」『動物大百科 6 有袋類ほか』、平凡社、1986年、156-176頁。
  5. ^ a b Irish mammals — the Pygmy Shrew”. 2007年12月27日閲覧。
  6. ^ 今泉吉典カラフトヒメトガリネズミの分類について」『哺乳動物学雑誌』第1巻 3号、日本哺乳動物学会、1956年、42-48頁。
  7. ^ 阿部永日本産食虫類の種名の検討」『哺乳類科学』第36巻 1号、日本哺乳類学会、1996年、97-108頁。
  8. ^ a b UK safari on Pygmy shrews”. 2007年12月27日閲覧。
  9. ^ Phibius-log.blogspot.com — Sorex minutus”. 2007年12月27日閲覧。

外部リンク[編集]