ヨルク・ヘルヘット

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ヨルク・ヘルヘットJörg Herchet)は、ドイツ現代音楽作曲家

略歴[編集]

1943年ドレスデン生まれ。リコーダーチェロなどに親しむが、やがて作曲に転科。ヨハネス・パウル・ティルマンマンフレート・ヴァイス、後日パウル・デッサウに師事。

当時の東ドイツ共産政権であり、現代音楽は禁止されていたのでデビューまでに20年以上かかる苦渋の日々を過ごしたが、1980年に規制がやや緩和されてドナウエッシンゲン現代音楽祭で注目されて以降、独自の作曲生活に入る。彼は「コンポジション」と「カンタータ」しか書かない硬派の作曲家であり、音楽劇にすらコンポジションと銘打たれている。欧州西側の柔軟な音列技法とは異なり、生硬の音場構造にいつまでもこだわる技法は、東側の制約の中で生み出されたものである。1970年代は可変拍子を用いたボリス・ブラッハーの影響もあったが、音域は中葉に維持されているため、アンサンブルの楽器使用を含めくぐもった音色はこの頃からあった。また長大な演奏時間にこだわる傾向があり、2004年の大オーケストラとソリストのための「オーケストラのためのコンポジション第四番」は40分を要する。このほか「オルガンのためのコンポジション」第一番~第四番なども、小曲を積み上げて長大化する。音色や密度も、じっくりと練り上げられてゆく。

東ドイツの崩壊後、JML入野に招かれて来日し、「東独は何年に12音技法が解禁、何年にシュトックハウゼンが解禁という謎のルールに縛られていた」ことを告白した。大学の教授として名高く、ヤーコプ・ウルマンセルゲイ・ネフスキーなどの強豪を輩出した点にも、その力強さの片鱗がうかがえる。だが、現在は引退してフリーの作曲家である。ブライトコップフペーターストレメディア音楽出版社から作品が入手可能。いくつかのCDもある。

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