ムレータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ムレータを使う闘牛士

ムレータとは、闘牛の最後の場面で闘牛士が使う、赤いフランネル製の布とそれを支える棒のこと。ムレータは、闘牛の最初の場面で闘牛士が用いるケープとは別物である。なお、片仮名表記ではムレタとも書かれるが、本稿では以降ムレータに統一する。

概説[編集]

ムレータは闘牛の最終局面で使用される道具である。ムレータは、エストック(主に刺突攻撃を行うための)と、闘牛士が最初の場面で用いていたケープとを覆い隠している。闘牛士は、このムレータを牛の気を引くために使用する。ところで、ムレータは赤色をしているが、元来、ムレータが赤色である必要はない。と言うのも、ウシは2色性色覚(または2色型色覚。いわゆる色盲)であり、闘牛士が最初の場面で用いていたケープの色とムレータの色とを、正確に見分けることができないからである。ムレータが赤色をしているのは、赤色であることが伝統となっていること、そして、ムレータの付着する血痕を見えにくくするといった程度の意味しか持っていない。なお、ムレータを右手に持つことをデレチャソ、左手に持つことをナトゥラルと言う。

ムレータが使われる場面[編集]

闘牛には様々な場面が存在し、それぞれの場面に固有の名称が与えられている [注釈 1]

「faena」というのは牛を殺す直前に、闘牛士がムレータを使って牛を巧みに操り、牛の肩の間をエストックで刺して、牛の大動脈を切断するのに好都合な場所に追い込む場面である。もしfaenaに失敗した場合、牛を直ちに殺すために、闘牛士は副武器の(もう1本の)剣で牛の脊髄を切断する。これら牛を殺すための所作は、闘牛士が1人で行うものであり、これによって闘牛士は文字通り「牛殺し」の称号を得る。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「faena」の他に有名な場面としては、例えば「veronica」がある。 「veronica」は闘牛士が一箇所で静止した状態でケープを振ることで、突進してくる牛を避ける場面。