ミセス・ダウト (ミュージカル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
Mrs. Doubtfire
ミセス・ダウト
The New Musical Comedy
作曲
作詞
  • ケイリー・カークパトリック
  • ウェイン・カークパトリック
脚本
原作 ミセス・ダウト
by ランディ・メイエム・シンガー（英語版）
レスリー・ディクソン
初演 2019年11月16日 – アメリカ合衆国ワシントン州シアトル フィフス・アベニュー・シアター
上演
2022 マンチェスター
ウェブサイト https://mrsdoubtfirebroadway.com/
テンプレートを表示

『ミセス・ダウト』（原題: Mrs. Doubtfire）は、1987年のアン・ファインによる小説『 Alias Madame Doubtfire』を原作とする1993年の映画『ミセス・ダウト』を基にしたミュージカル。弟ケイリーと兄ウェインのカークパトリック兄弟が作詞作曲、ケイリーおよびジョン・オファレルが脚本を担当した。

背景[編集]

2015年、アラン・メンケンが作曲、デイヴィッド・ジペルが作詞、映画版でフランク役を演じたハーヴェイ・ファイアスタインが脚本を担当してミュージカル化の制作が開始していた。2013年にプロデューサーのケヴィン・マコラムは「ニューヨーク・タイムズ」紙に『ミセス・ダウト』はブロードウェイ向きであると語っていた[1]。しかし3年後、メンケンは制作陣が変更となったことが問題で制作中止となったと語った[2]。にもかかわらず、2018年、マコラムはまだブロードウェイでのミュージカル版上演を目指していると語り、カークパトリック兄弟が作詞作曲、ジョン・オファレルとケイリー・カークパトリックが脚本を担当するという全く新たな制作陣となった。トニー賞受賞者のジェリー・ジャックスが演出を担当することとなった[3]。

2019年5月16日および17日、ロブ・マクルア、ケイト・ボールドウィン、マリオ・カントン、ジェイク・ライアン・フリンが読み合わせに参加した[4]。

プロダクション[編集]

ジェリー・ザックスが演出、ロリン・ラタロが振付、イーサン・ポップが音楽監督、編曲、指揮を担当することとなった[5]。ロブ・マクルアがダニエル・ヒラード / ミセス・ダウトファイア役[4]、ジェン・ガンベイティスがミランダ・ヒラード役、エイヴリー・セルがナタリー・ヒラード役、J・ハリソン・ギーがアンドレ役、マーク・エヴァンスがスチュワート・ダンマイア役、チャリティ・エンジェル・ドーソンがワンダ・セルナー役、ピーター・バートレットがミセス・ジョリー役に配役された[6]。当初ジャネット・ランディ役に故ドリーン・モンタルヴォが配役されており、シアトル試験興行およびブロードウェイのプレビュー公演に3回出演していたが、2020年10月に急死した[7]。

シアトル[編集]

2019年、ワシントン州シアトルにあるフィフス・アベニュー・シアターにてワールド・プレミアとして、11月26日からプレビュー公演、12月13日から本公演が上演され、12月29日で閉幕の予定であったが好評につき2020年1月4日まで延長された。

ブロードウェイ[編集]

2020年3月9日、スティーブン・ソンドハイム・シアターでプレビュー公演が開幕し、4月に本公演が開幕する予定であった[6]。しかし3月12日、コロナウィルスの世界的蔓延によるニューヨーク州知事の要請によりブロードウェイ全公演が上演中止となった。2021年10月21日、プレビュー公演が再開され、12月5日に本公演が開幕した[8][9][10]。2022年1月10日から4月14日、本作は再び上演中止となった[11][12]。再開から1ヶ月後、2022年3月29日にプレビュー公演43回、本公演83回上演ののち閉幕することを発表した[13]。

マンチェスター[編集]

2021年11月5日、翌2022年9月2日から10月1日までイギリス・プレミアとしてマンチェスター・オペラ・ハウスで上演することを発表した[14] 。評価は概ね好評であった[15][16]。

ロンドン[編集]

2022年11月15日、2023年5月12日よりロンドンのシャフツバリー・シアターで上演することが発表だれた[17]。

その他のパフォーマンス[編集]

2021年11月18日、朝の情報番組『グッド・モーニング・アメリカ』で楽曲「"Rockin' Now"」のパフォーマンスを行なった。

使用楽曲[編集]

Source: Playbill[18]

出演者[編集]

役 ワークショップ
(2019年) 		シアトル
(2019年) 		ブロードウェイ[18]
(2021年) 		マンチェスター
(2022年) 		ロンドン[19]
(2023年)
ダニエル・ヒラード / ミセス・ダウトファイア ロブ・マクルア（英語版） ゲイブリエル・ヴィック
ミランダ・ヒラード ケイト・ボールドウィン ジェン・ガンベイティス ローラ・テバット
フランク・ヒラード マリオ・カントン（英語版） ブラッド・オスカー（英語版） キャメロン・ブレイクリー
ミスター・ジョリー ピーター・バートレット（英語版） イアン・タルボット
ワンダ・セルナー チャリティ・エンジェル・ドーソン ヴァネッサ・フィッシャー ケリー・アグボウ
スチュワート・ダンマイア マーク・エヴァンス（英語版） ドミニク・アンダーソン サミュエル・エドワーズ
アンドレ・メイエム マイケル・ジェイムス・スコット（英語版） J・ハリソン・ギー（英語版） マーカス・コリンズ（英語版）
リディア・ヒラード マロリー・ベクテル（英語版） アナリス・スカパチ カーラ・ディクソン・ヘルナンデス
クリストファー・ヒラード ジェイク・ライアン・フリン ジョージ・ニーム・スチュアート
チャーリー・タンブリッジ
フレッド・ウィルコックス 		tba
ナタリー・ヒラード エイヴリー・セル ジェシカ・ボウマン
ダーシー・ディーン
アンジェリカ・パール・スコット 		tba
ジャネット・ランディ ドリーン・モンタルヴォ ジョディ・キムラ アイーシャ・ナオミ・ピース ミチャ・リチャードソン
フラメンコ歌手 アリーナ・ウォターズ リサ・マシーソン

評価[編集]

受賞歴[編集]

年 賞 部門 ノミネート者 結果
2022 ドラマ・デスク・アワード[20]
ミュージカル主演男優賞 ロブ・マクルア（英語版） ノミネート
ウィッグ・ヘア・デザイン賞 デイヴィッド・ブライアン・ブラウン 受賞
海外批評家サークル賞[21] 新作ミュージカル作品賞 ノミネート
ミュージカル主演男優賞 ロブ・マクルア ノミネート
ミュージカル演出賞 ジェリー・ザックス（英語版） ノミネート
ミュージカル脚本賞 ケイリー・カークパトリック（英語版）
ジョン・オファレル（英語版）		 ノミネート
楽曲賞 ケイリー・カークパトリック
ウェイン・カークパトリック（英語版）		 ノミネート
衣裳デザイン賞 キャサリン・ズバー（英語版） ノミネート
トニー賞[22][23] ミュージカル主演男優賞 ロブ・マクルア ノミネート

脚注[編集]

  1. ^ Healy, Patrick (2013年8月1日). “Like the Movie, Only Different”. The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2013/08/04/movies/hollywoods-big-bet-on-broadway-adaptations.html 2019年7月29日閲覧。 
  2. ^ Jeffery, Morgan (2016年5月17日). “Mrs Doubtfire: The Musical has been put on hold”. Digital Spy. 2019年7月29日閲覧。
  3. ^ Romano, Nick (2018年8月28日). “Mrs. Doubtfire musical is officially in the works and aiming for Broadway”. EW.com. 2019年7月29日閲覧。
  4. ^ a b Clement, Olivia (2019年9月5日). “Rob McClure to Star in World Premiere of Mrs. Doubtfire Musical”. Playbill. 2023年3月7日閲覧。
  5. ^ McPhee, Ryan (2019年6月6日). “Mrs. Doubtfire Musical Will Make Its World Premiere in Seattle”. Playbill. 2019年7月29日閲覧。
  6. ^ a b Rosky (2019年10月16日). “Breaking: MRS. DOUBTFIRE Will Open on Broadway in Spring 2020 at the Stephen Sondheim Theatre”. BroadwayWorld. 2019年10月16日閲覧。
  7. ^ “Doreen Montalvo, Star of In the Heights and On Your Feet!, Dies at 56”. Playbill (2020年10月19日). 2021年12月11日閲覧。
  8. ^ “The Shutdown Continues: All Performances of Broadway Shows Now Suspended Through June 7”. Broadway.com (2020年4月8日). 2020年4月8日閲覧。
  9. ^ “Broadway Is Reopening. But Not Until September.”. The New York Times (2021年5月5日). 2021年5月10日閲覧。
  10. ^ “'Mrs. Doubtfire' Musical Announces Fall Broadway Return With Rob McClure In Title Role”. Deadline (2021年5月10日). 2021年5月10日閲覧。
  11. ^ Culwell-Block, Logan (2022年1月2日). “Broadway's Mrs. Doubtfire to Take 9-Week Hiatus”. Playbill. 2022年1月3日閲覧。
  12. ^ “'Mrs. Doubtfire' Delays Broadway Reopening to April”. Variety (2022年3月18日). 2022年2月19日閲覧。
  13. ^ “Last performance May 29!”. Instagram: doubtfirebway (2022年5月13日). 2022年5月13日閲覧。
  14. ^ Mayo, Douglas (2021年11月7日). “Mrs Doubtfire musical to have UK premiere in Manchester in 2022” (英語). British Theatre. 2021年11月8日閲覧。
  15. ^ Tan, Ain't No Other (2022年9月6日). “Theatre Review: Mrs. Doubtfire” (英語). Tan's Topics. 2022年11月18日閲覧。
  16. ^ Bourne, Dianne (2022年9月22日). “The show they didn't want us to review - Mrs Doubtfire musical reviewed” (英語). Manchester Evening News. 2022年11月18日閲覧。
  17. ^ “Helloooo, London - MRS DOUBTFIRE The Musical to open in the West End in May 2023” (英語). Best of Theatre (2022年11月15日). 2022年11月15日閲覧。
  18. ^ a b “Mrs. Doubtfire (Broadway, Stephen Sondheim Theatre, 2021)”. Playbill. 2022年5月15日閲覧。
  19. ^ “Helloooooo London! - It's MRS DOUBTFIRE...” (英語). London Box Office (2022年11月15日). 2022年11月15日閲覧。
  20. ^ “66th Drama Desk Awards” (英語). Drama Desk Awards. 2022年5月16日閲覧。
  21. ^ “71st Outer Critics Circle Awards” (英語). Outer Critics Circle Awards. 2022年5月17日閲覧。
  22. ^ “2022 Tony Award Nominations”. Tony Awards (2022年5月9日). 2022年5月9日閲覧。
  23. ^ “Tony Awards 2022 Complete List of Winners: 'A Strange Loop,' 'The Lehman Trilogy' Earn Top Prizes”. Variety (2022年6月12日). 2022年6月16日閲覧。

外部リンク[編集]

「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ミセス・ダウト_(ミュージカル)&oldid=95427112」から取得