ポップ (ダンス)
ポップ(ダンス)は、オールドスクールに分類されるストリートダンス(ディスコダンス)の一つ。
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概要 [編集]
1960年代~70年代より存在するダンススタイル。その起源には諸説がある。
- パントマイムやロボットの動きなどを発展させて、自然発生的に生まれた。
- Boogaloo Sam が考案した。
名称の由来は筋肉を弾く(ポップ)こと。ポップ(pop)、ポッピング(popping)、ポッピン(poppin')も同じ意味で、ポップ(ダンス)全体を示すことが多い。
主に体の各部位が別々の動きを取る様な踊り方をし、もともとはエレクトリック・ブギ(electric boogie)という物で、 ポップスタイル、アニメーション、ブガルー、ロボットダンスなどがこれに分類される。一連の動作の中で一度静止して瞬間的に筋肉を収縮させ(これをヒットまたはポップという)、音に合わせる。日本語ではヒット→「打つ」、ポップ→「弾く」と表現されることが多い。ポップ=ブガルーではなく、ブガルーはあくまでスタイルのひとつである。
ヒット/ポップは前腕、上腕、首、胸筋、胸(胸筋とは別に)、みぞおち、背筋、腰周辺部、太ももの前面、太ももの背面と様々な部位で打つ/弾くことが出来る。 練習をする際には個々の筋肉の動きをそれぞれ意識して動かし、神経を集中させるため、もっぱら筋肉との会話であり、リハビリテーションに通ずるものがある。口頭での説明よりも、実際に筋肉を触るとわかりやすい。 緊張させることよりも、打つ/弾く直前まで脱力=リラックスしていることが大切なので、練習のためにストレッチやマッサージなどが役立つ場合もある。
主な動きは後述するが、他のストリートダンス(Soul dance・Lockin・Punking・House・HipHop・Reggea・Krump...etc)の動きや、パントマイムやものまね、面白い一瞬(立っている人が眠くて倒れる瞬間に”ハッ”とするところ → sleeping)、果ては日常生活のふとした動作(サングラスを外す/つける...etc)までを取り入れることにより実に幅広い表現を行うことができる。
筋力・リズム感・バランス感覚(軸の意識・重心の位置コントロール)・柔軟性などを養うためにも、他のストリートダンスの練習を行うことは良い効果を得る可能性が高い。あらゆる要素を加えることで無限の広がりを見せる奥深いダンススタイルである。 しかし、常に”残す”部分(空間固定、もしくは動作に対しての自然な動き…スタイルによって異なる)が存在することが大切なので、たくさんの動きを詰め込むと”ポップらしさ”が損なわれる可能性もあり、注意が必要である。
注目すべき点としては、ポップを踊り続けている人はレベルの高低差があっても、常に成長を続けていることが多い。著名人では40歳を超えても成長を続けているポッパーも多い。特に有名な例は、エレクトリック・ブガルーズのPoppin'Pete。常に成長を続けている姿に、多くの人間が感動させられ続けている。
個性が強く出る踊りであり、ソロ(1人で踊る、アドリブ)でのコンテストが主催されることが多い。日本国内で定期的に行われているものとしては、「OLD SCHOOL NIGHT」「HookUp」「HeatUp」「FreeStyleSessionJapan」「b-nite」「P-1 GP(現在はLockinも合わせてPL-1)[1]」などがある。
日本国内・日本国外での状況 [編集]
アメリカ合衆国では西海岸、特にロサンゼルスにポップを踊るダンサーが多く、海外ではアメリカ、フランス、韓国で盛ん。日本では特に大阪において盛んなダンスである。
近年においては、エレクトリック・ブガルーズ(Electric Boogaloos)[2]のメンバーの積極的な来日、ワークショップ開講や、Co-thkoo(大阪)、フォーマーアクション(東京)を中心とする若手の活躍や、各メディアに情報が露出するようになったことにより、全国的にポッパー(ポップダンスを踊る人)が増加している傾向にある。
代表的なメディア [編集]
- ストリートダンスを取り上げているテレビ番組(DANCE DANCE DANCE、RAVE2001、bloom、少年チャンプル、スーパーチャンプル)
- DVD-Video(ダンススタイルポッピン、ダンスモンスター、オールドスクールディクショナリー)
- インターネット上の動画ファイル
歴史 [編集]
現在、ポップと呼ばれている動きを世界で最初に名前をつけて広めたのはエレクトリック・ブガルーズである。現在の正式なメンバーには、ブガルー・サム(Boogaloo Sam)、ポッピン・ピート(Poppin'Pete)、スキータ・ラビット(Skeeter Rabbit 2006年5月死去)、ミスター・ウィグルス(Mr.wiggles)、シュガー・ポップ(Suga pop[3])、ジャジー・ジェイ(jazzy-j)、ショーン・ブーグ(Shoon boog ピートの息子)がいる。過去にはポッピン・タコ(Poppin Taco)などが在籍していた。映画「ブレイクダンス」「ブレイクダンス2」などによりメディアで紹介され、世界中に広まった。
主なスタイル [編集]
ポップの動き、技、スタイルには以下のようなものがある。
- ポップ(pop)
- ロール(roll)
- ウォークアウト(walk out)
- エアポーズ(airpose)
- ダイムストップ(Dime Stop)
- ネックオーフレックス(neck o flex)
- ツイストオーフレックス(twist o flex)
- マスターオーフレックス(master o flex)
- スリーピー(sleepy)
- オールドマン(old man)
- クレイジー・レッグス(crazy legs)
- ウェーブ(wave)
- タット(tut)
- ブガルー(boogaloo)
- ティッキング(ticking)
- スケアクロウ(scarecrow)
- パペット(puppet)
- スネーキング(snaking)
- ストラット(strut)
- フィルモア(filmore)
- トイマン(toyman)
- シャドウボックス(shadow box)
- センサーピート(centipede)
- ボトムファースト(bottom first)
- サックウォーク(sac walk)
- フレズノ(fresno)
- クリーピング(creeping)
- リフト(lift)
- コブラ
- キングコブラ
一般的な用語 [編集]
- ヒット(Hit) = どこかに当てる意識で筋肉を急激に緊張させることと言われている
- ポップ(Pop) = その場で静止した状態で筋肉を急激に緊張させることと言われている
- 1ポップ、2ポップ(ワンポップ、ツーポップ) = ひとつのポーズに対して何回ポップを入れるかを示す
向いている音楽、向いていない音楽 [編集]
「強い音」が適度なペースで含まれる音楽が向いている。ファンク(特にPファンク)、Electro funk・Gファンクに向いている曲が多く、ソウル、R&B、ヒップホップ、West Side、アシッド・ジャズ、テクノ、ダブステップなどにも向いている曲が見られる。向いていない音楽としては、テンポが早すぎるもの(ハウス、トランス)やリズムが複雑すぎるもの(Drum'n'bass)、強い音が少ないもの(クラシック)などがあげられる。
ヒット/ポップの使い方 [編集]
比較的強い音であるスネアドラムの音に合わせてヒット/ポップをするのが基本である。 このタイミングにより同じ動きでも見た目の印象が異なる。 音に対して、早いものは軽く、遅いものは重く見える傾向がある。
- 音に対してのヒット/ポップが先に始まって終了する → 「早どり」
- 音に対してほぼ同じタイミングで始まって終了する → ジャスト、オンビートetc(特に決められた名称は無い)
- 音を聞いた後に瞬間的にヒット/ポップをする →「遅どり」
- 音を聞いた後、裏拍でヒット/ポップをする → (特に決められた名称は無い)
アドリブで踊っている関係上、狙ったスネアドラムの音が来ない場合も十分にありうる。このときに「早どり」を行っていた場合は”空振り”になってしまう。狙った音が発生したことを確認してからヒット/ポップを行う「遅どり」であれば空振りを防止できる。さらに、見ている側からすると期待した音が来ないことに合わせて静止しているように見える為、より上手く音を使っているようにも見える。
なお、初心者はヒット/ポップの起動から発動までの時間がかかるので、どうしても「早どり」になる傾向がある。脱力状態~緊張状態~脱力状態にかかる時間を短くする反復練習により、ヒット/ポップの発動を一瞬で行うことができるようになる。
ストップの大切さ [編集]
ヒット/ポップは、動いている時よりも静止している状態の方が見えやすい。 そのために、”ストップ”(ヒット/ポップを使わずに、ただ単に静止すること)の技術はポップというダンスの上達に不可欠である。
音楽とフィーリング [編集]
ビートに合わせてヒット/ポップを入れて踊るのが基本ではあるが、それだけだと単調になる。 音楽に対しての自分が感じたものをフィーリングとして表現していくと、見ている側により大きな共感を与えることができる。 また音楽の小節の区切り(特に曲調が変わりやすい4小節の単位)を意識して、ポージングを行ったり、曲調の変化にすばやく対応することも良い効果を与えることが多い。
例1:音の大小に動きやヒット/ポップの大小を合わせる
例2:音が重い時は遅いタイミングでヒット、音が軽い時はジャストのタイミングでヒット
例3:歌/ラップに合わせてパーツ単位で細かくヒット/ポップする
ルーティンの問題点 [編集]
ルーティン(振り付け)を覚えることで、自分の得意なパターン(組み合わせた動き)ができてくるものである。 しかし、それはアドリブで踊るときに単調にしか踊れないという問題を引き起こす場合がある。 より基礎的な動き(上の主な動きを参照)を体に染込むまで練習して、音に対して柔軟な対応ができるようにすることや、人前で見られていることを意識して踊る練習をすることで解消することができる。
ルーティンは曲に合わせて”部分的に使用する”とか”ポーズの間の動きにアクセントをつける”など柔軟に運用することが大切である。カウントだけが合っていても、小節の区切りや曲調に合った表現ができていないと、つまらなく見えることがあるので工夫が必要である。
音声と画像のズレ [編集]
ビデオ・DVD・インターネット上の動画ファイル、全てにおいて音声と画像がズレている可能性がある。 こと、このポップというダンススタイルに関しては0.05秒のズレでも見た目の印象に大きく影響を与える。 他のジャンルと比べて音声と画像のズレの影響が非常に大きく、わかりやすい。 そのため、ビデオ・DVD・インターネット上の動画ファイルと、実際にポッパーが踊っているところを直接見た時で印象が異なる場合がある。上達のためには、実際にポッパーが踊っているところを直接見ることも大切である。
健康上の注意事項 [編集]
練習は筋肉との対話であり、同じ動きの反復が非常に多い。踊っている時も同様である。そのため、関節に悪い動き・体重のかけ方で練習やヒット/ポップを行うと慢性的な関節痛の原因になる。
特に代表的なのが膝を伸ばしきるヒット/ポップによる膝関節の痛み。これは簡易的に強いヒット/ポップが行えるのでつい多用してしまって、そして慢性的な痛みを起こすことが多い。
次に代表的なのがロールを多用した場合の膝関節の痛み。これは体重が乗り切った状態でロールを行った場合に起こりうるものであり、左右の脚での加重配分、筋力の増強、股関節の柔軟性向上、体重の減量などの工夫や対策を行わないまま繰り返すと、膝関節が苦手とする力のかかり方をするために慢性的な痛みになり得る。
練習や踊った時に関節の痛みを感じた場合は、常に自分の動きを見直すべきである。