ハースト・キャッスル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ハースト・キャッスルの中心を占めるカーサ・グランデ

ハースト・キャッスル (Hearst Castle) は、イエロージャーナリズムによってアメリカ合衆国の新聞王になったハースト家の豪邸のひとつ。カリフォルニア州サン・シメオン (San Simeon) の丘の頂上にそびえ建つ。現在は州が所有し、歴史的建造物として一般公開している。

概要[編集]

敷地面積約8400 m2の中に、約6000 m²の城と、3つのゲストハウス、ローマスタイルの豪華な屋内プールと屋外プール、動物園、エアポートなどがある。建物は、地中海リバイバル様式と呼ばれる、スペインイタリアなどのルネッサンス期のスタイルを折衷したもの。主屋の城は、建築主である新聞王のウィリアム・ランドルフ・ハーストがスペインのロンダで見た教会をイメージしたもので、内部には寝室のほか、書斎、図書室、映画室、遊戯室、美容室、食堂など、115の部屋があり、ハーストがヨーロッパで集めた絵画やアンティークの調度品で飾り立てられている。3つのゲストハウスには寝室やホールなど、合わせて46室があり、こちらも豪華な装飾で埋め尽くされている。[1]

歴史[編集]

1865年にハーストの父ジョージがこの一帯の土地を購入。両親の死後、この地を相続したハーストは、人里離れた内地にありながら、遠くに海を望む高台の絶景を気に入り、豪邸建築を計画。ハースト社のビルをいくつか手掛けてきた女性建築家のジュリアン・モーガンに設計を依頼(ジュリアンはパリボザールで学んだ初の女性)。1919年に着工。城が完成すると、当時ハーストの愛人だった女優のマリオン・デイヴィスが城の女主人として君臨し、チャップリンなど親しい映画関係者や、政財界の有名人を招き、華やかな暮らしが始まった[2]。その間も増築が続けられたが、1947年にハーストが病床につき、ビバリーヒルズに引っ越したため中止された。1951年にハーストが亡くなると、ハースト社が引き継いで管理していたが、1957年に州に寄付された。ハースト・キャッスルを維持管理する財団が設立され、トップにハースト家のメンバーが就任したほか、ハースト家の者は好きなときに利用できることになっている。

南西から眺めたハースト・キャッスル

映画[編集]

ウィリアム・ランドルフ・ハーストの生涯をモデルにしたと言われている映画『市民ケーン』には、主人公が住む未完の豪邸「ザナドゥ」として、ハースト・キャッスルを思わせる城が登場するが、映画に登場するのは、ロングアイランドにある「オヒカ城」の映像を加工したものである。オヒカ・キャッスルは、ドイツ系ユダヤ人の金融家が建てた豪邸で、1980年代には横井英樹が一時所有していた。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ ハースト・キャッスル公式サイト
  2. ^ 「バラのつぼみ『市民ケーン』と新聞王ハースト」マジソンズ

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度41分07秒 西経121度10分00秒 / 北緯35.6852度 西経121.1666度 / 35.6852; -121.1666