ネフェルヘテプ1世

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ネフェルヘテプ1世
Neferhotep I
ファイユームで発見されたネフェルヘテプ1世像(ボローニャ市立考古学博物館蔵)
ファイユームで発見されたネフェルヘテプ1世像(ボローニャ市立考古学博物館蔵)
古代エジプト ファラオ
統治期間 紀元前1741年頃 - 紀元前1730年頃,エジプト第13王朝
前王 セベクヘテプ3世
次王 サハトホルあるいはセベクヘテプ4世
ハーアンクフ
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ネフェルヘテプ1世(Neferhotep I, 在位:紀元前1741年頃 - 紀元前1730年頃)は、古代エジプト第13王朝の第22代または26代ファラオ(王)。即位名はカーセケムラー。

概要[編集]

前王セベクヘテプ3世との間に血縁関係はなく、後継者となった経緯は不明である。彼の父はハーアンクフという名の平民出身の人物で、ネフェルヘテプ1世とその兄弟たちが残した印章の多くに名前が見られる。[1]

互いに血縁関係を持たない、出自不明の王たちが短期間で交代している第13王朝では例外的に長期間在位し、多くの記録を残している。フェニキアの都市ビブロスで、その地の王を従属させているネフェルヘテプ1世の姿が描かれた図像が発見されている[2]他、パレスティナからヌビアに至るまでの広い範囲で彼の時代に作られた石碑が数多く発見されている。これは第12王朝によって築かれた中央政府が依然として機能し、その権威が全土に及んでいただけでなく、ネフェルヘテプ1世による統治の下でエジプトが繁栄していたことを物語っている[3]。そのため、彼とその兄弟で後継者のセベクヘテプ4世の治世は第13王朝の最盛期であったと考えられる。

脚注[編集]

  1. ^ ドドソン, ヒルトン 2012, p.103
  2. ^ クレイトン 1998, p.118
  3. ^ ドドソン, ヒルトン 2012, p.100

参考文献[編集]

  • ピーター・クレイトン『古代エジプトファラオ歴代誌』吉村作治監修、藤沢邦子訳、創元社、1999年4月。ISBN 978-4-422-21512-9 
  • エイダン・ドドソン、ディアン・ヒルトン『全系図付エジプト歴代王朝史』池田裕訳、東洋書林、2012年5月。ISBN 978-4-88721-798-0 
  • 第13王朝(紀元前1,773〜1,650年頃)”. 古代エジプト史料館. 2017年5月29日閲覧。
先代
セベクヘテプ3世
古代エジプト王
代数不明
前1741年頃 - 1730年頃
次代
サハトホル
あるいはセベクヘテプ4世