ニーヤ

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ニーヤとは、イスラム教における1つの概念であり、ある行為をのためにするという心の中での意思表明[注釈 1]を意味する[1]

イブン・ラジャブ英語版の「アル=ナワウィの40のハディース英語版の解説:第1のハディース」によれば、行為は意志表明に従って判断される[2]

ウマルは伝えている。預言者は言った、「行為とは意志にもとづくものであり、人はみな自らの意志した事柄の所有者である」と[3]

同様にして、ニーヤあるいは意志表明は、儀式的な礼拝行為の要件の中で最も重要である。ニーヤを耳に聞こえるよう発声する必要性についての議論がある。しかし、多くのイスラーム法学者は、ニーヤは心を込めて発せられるものであって発声される必要はない、ということに賛成している。加えて、イスラム教の預言者ムハンマドと彼の教友たちが礼拝前にニーヤを声に出したことがあるという証拠は存在しない[4]

イスラム教徒は、礼拝やメッカへの巡礼を始める前に、ニーヤしなければならない。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ World Faiths, Teach yourself - Islam by Ruqaiyyah Maqsood. ISBN 0-340-60901-X. Page 51
  2. ^ “[http://www.sunnah.org/ibadaat/alamal_bilniyyat.htm Commentary: Hadith "Deeds are by Intentions"]”. 2020年5月19日閲覧。
  3. ^ 40 Hadith -40のハディース”. 2020年5月19日閲覧。 “行為とは意志にもとづくものであり、人はみな自らの意志した事柄の所有者である”
  4. ^ Taken from The Prescribed Prayer Made Simple by Tajuddin B. Shu'aib

注釈[編集]

  1. ^ ニーヤは「意志表明」と訳されることが多い。