ドミニオン (カードゲーム)

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ドミニオン
デザイナー ドナルド・X・ヴァッカリーノ (en
販売元 アメリカ合衆国の旗 リオグランデゲームズ (en
日本の旗 ホビージャパン
プレイ人数 2〜4人(拡張セット使用で最大6人)
対象年齢 8歳以上
準備時間 5〜10分
プレイ時間 30分程度
運要素

ドミニオン (Dominion) は、アメリカボードゲームカードゲーム)。作者はドナルド・X・ヴァッカリーノ。2008年秋にアメリカのRio Grande Games社より発売され、日本では2009年ホビージャパンが完全日本語版を発売している。

概要[編集]

各プレイヤーは小国の領主として自分の領土を拡張していき、最終的に最も多くの領地(得点)を手にしたプレイヤーの勝利である。プレイ人数は2~4人(拡張セットによって6人まで)。

プレイヤーの領地がデッキという形で表現され、プレイヤーは場に準備された山札から任意のカードを購入しデッキを構築していく事で領地を拡張する。このカードの購入とデッキの構築プロセスそのものが、ゲームプレイの主軸に据えられている点が、本作最大の特徴となっている。

多彩な効果を持つ王国カード(基本セット25種類・拡張セットを含めると120種類以上)の組み合わせによって、トレーディングカードゲームのような戦略の多様性を持ちつつも、1回のゲームで使用する王国カードを10種類と限定している。これによって、過度の複雑性を排除しながら、プレイの度に大きく展開の異なる新鮮なゲームプレイを実現している。

プレイにあたって使用されるのは、あくまでセット内に収録されているカードのみであるため、一般的なトレーディングカードゲームにみられる、強さを求めるとより多くの投資を強いられるという欠点が排除されている。また、拡張セットを購入する事によって、プレイの幅を広げる事が出来る。

現在では、全世界で19の言語で30万部以上を売り上げるなど商業的成功を収め、さらにドイツ年間ゲーム大賞ドイツゲーム大賞、アラカルト・カードゲーム賞においてグランプリを受賞し、史上初となる3冠を達成するなど9つの賞を獲得し、非常に高い評価を得ている。また、本作の成功によって無数のフォロワーが生まれ、デッキ構築のギミックを取り入れたボードゲームが次々と登場するようになった。

ルール[編集]

準備として、場に

  • 銅貨(1金)・銀貨(2金)・金貨(3金)の「財宝」(コイン)カード
  • 屋敷(1点)・公領(3点)・属州(6点)の「勝利点」カード
  • -1点の「呪い」カード
  • 10種類の王国カード

の山を置く。

王国カードとは、基本カード(銅貨、屋敷、属州、呪い、ポーション、植民地など)以外のカードすべてのことをいう。この10種類の王国カードの選び方によって、多様なゲーム展開を見せることになる。

基本カードの山の枚数はプレイ人数によって異なる。また、拡張セットを混ぜるときは、基本カードとしてポーション、白金貨、植民地などを追加で置くことがある。

各プレイヤーは銅貨を7枚、屋敷を3枚受け取り、山札として使用する。この10枚からなる山札から、全員が5枚の手札を引いてゲームを開始する。

ドミニオンでは、銅貨7枚を元手に任意のカードを購入・獲得することで、デッキを構築していくことになる。購入・獲得したカードは捨て札に置かれ、すぐに利用することはできない。ターンの終了時、使ったカードや余った手札はすべて捨て場に捨てて、新たに山札から5枚引いて手札とする。山札がなくなると、捨て札をすべて切り混ぜて新たな山札とする。このような流れにより得たカードは山札に取り込まれ、各自の思惑によって獲得された構成でデッキが構築されてゆく。

各プレイヤーの手番で行えることは以下の3つで、ABCによって表すことができる。各手順を終了したら、他のプレイヤーに手番を渡す。ABCのそれぞれは独立したフェイズであり、購入フェイズの後にアクションフェイズに戻るようなことはできない。

  • Action - 手札にあるアクションカードを使用できる。アクションカードにはそれぞれ能力がある。財宝カードのようにお金を生み出すアクションカードもある。アクションカードを場に出すことで、書かれている効果を上から順に処理していく。アクションは1ターンに1回までだが、カードの効果によって、追加のアクションを行うこともできる。
  • Buy - 手札の財宝カードを場に出すことで、お金が生み出される。各カードにはそれぞれ値段(コスト)が設定されており、コスト分のお金を消費することで、場にあるカードを購入できる。購入により獲得したカードは捨て札に置く。購入に使用されなかった分の、アクションや財宝により発生したお金はターン終了時に消える。購入は1ターンに1回までだが、カードの効果によって、追加の購入を行うこともできる。
  • Cleanup - このターン使用したことで場に出ているカード、及び手札のカードを全て捨て札に置く。その後、山札から5枚のカードを引き手札とする。山札がなくなり引けなくなった場合は捨て札をシャッフルし、山札にして残りを引く。

最終的には、場の属州のカードの山か、その他のカードの山の3つが無くなった時点でゲームを終了する。このとき各プレイヤーのデッキに含まれる勝利点の合計を計算し、最も勝利点の高いプレイヤーの勝利となる。拡張セットの植民地も属州と同様に無くなった時点でゲームを終了する。

使用するカード[編集]

カードはアクションカード財宝カード勝利点カード呪いカードの4種類がある。

アクションカードは使用することで、様々な効果を発揮するカードである。その多彩な効果により、ゲームプレイに貢献する。

財宝カードは場にあるカードを購入するのに必要な、お金を生み出すカードである。最初に銅貨7枚がプレイヤーに与えられ、そこから様々なカードを購入することで、デッキを構築していく。

勝利点カードは領土を示し、最終的な勝敗を決める勝利点を持つカードである。ゲーム終了時に、勝利点の合計が最も多いプレイヤーが勝者となる。ほとんどの勝利点カードには何の効果もなく、ゲーム中は役に立たない。

呪いカードはマイナスの勝利点を持つカードである。何の効果もなく、他プレイヤーに獲得させることは攻撃になる。

「アクション - アタック」のように、「アタック(相手を攻撃する)」「リアクション(特定の状況に反応する)」「持続(数ターンにわたり効果を及ぼす)」といった要素を持つカードが存在する。同様に「財宝 - 勝利点」のようなカードも存在する。

主なカード[編集]

()内はカードのコストを表す。

財宝カード
  • 銅貨(0) - 1金。基本カード。
  • 銀貨(3) - 2金。基本カード。
  • 金貨(6) - 3金。基本カード。
  • 白金貨(9) - 5金。基本カード。(拡張セット:繁栄)
  • ポーション(4) - 1ポーション。基本カード。(拡張セット:錬金術)
勝利点カード
  • 屋敷(2) - 1点。基本カード。
  • 公領(5) - 3点。基本カード。
  • 属州(8) - 6点。基本カード。
  • 植民地(11) - 10点。基本カード。(拡張セット:繁栄)
  • 庭園(4) - ゲーム終了時のデッキ10枚につき、1点。
  • 公爵(5) - ゲーム終了時の公領1枚につき、1点。(拡張セット:陰謀)
呪いカード
  • 呪い(0) - -1点。基本カード。
アクションカード(例)
  • 堀(2) - リアクションカード。相手のアタックカードの自分への影響を無効化できる。
  • 礼拝堂(2) - 自分の手札のカードを廃棄できる。廃棄されたカードはデッキから除かれ、不要なカードを処分するのに役立つ。
  • 村(3) - アクションカードの使用回数を増やす。
  • 鍛冶屋(4) - カードを3枚引く。
  • 魔女(5) - アタックカード。他のプレイヤーに呪いカードを1枚獲得させる。
  • 寵臣(5) - アタックカード。コインを得るか、相手を巻き込んで手札を交換する。(拡張セット:陰謀)
  • 策士(5) - 持続カード。手札をすべて捨て札にし、次のターンに5枚カードを引く。(拡張セット:海辺)
  • 支配(6+ポーション) - 左隣のプレイヤーを、1ターン好きに操作する。(拡張セット:錬金術)
  • 宮廷(7) - 手札のアクションカード1枚の効果を、3回続けて発動できる。(拡張セット:繁栄)
  • 移動動物園(3) - 手札の内容が全て異なるカードなら、3枚カードを引く。(拡張セット:収穫祭)
  • 国境の村(6) - 使用すると「村」の効果。このカードを獲得した時、このカードよりコストの低いカード1枚を獲得する。(拡張セット:異郷)
  • 要塞(4) - 使用すると「村」の効果。このカードを廃棄置き場に送るとき、代わりに手札に入れる。(拡張セット:暗黒時代)

シリーズ作品[編集]

ドミニオン:基本セット (Dominion)
ドミニオンの基本となるセット。25種類の王国カードに加え、3種類の財宝カード、3種類の勝利点カード、呪いカードで構成されている。
初心者向けセットということで、効果が比較的単純で扱いやすい王国カードが多い。
ドミニオン:陰謀 (Dominion:Intrigue)
拡張セット第1弾。基本セットと同様に基本カードが入っており、陰謀単体でプレイできる、独立型拡張セット。新規王国カードが25種類入り。
基本セットに比べると、効果の複雑なカードが多い。「複合属性カード」が登場。
ドミニオン:海辺 (Dominion:Seaside)
拡張セット第2弾。領主たちは交易で利益を得るために海の向こうへ乗り出した。新規王国カードが26種類入り。
テーマは「次のターン」。”持続”カードが登場。マットやトークンが導入され、山札の一部を廃棄することなく隔離できるようになった。
ドミニオン:錬金術 (Dominion:Alchemy)
拡張セット第3弾。アカデミックな雰囲気のカードが多い。新規王国カード12種類に加え、新たな基本財宝カード「ポーション」登場。
ポーションをコストに持つ王国カードは購入しづらいが、そのぶん強力でユニークな効果を持つ。
ドミニオン:繁栄 (Dominion:Prosperity)
拡張セット第4弾。領主たちは世界中に進出して富を得た。新規王国カード25種類に加え、基本カードに「白金貨」「植民地」登場。
テーマは「富」と「繁栄」。コストが高く、パワフルな効果を持つカードが多く、派手な試合展開になる。ゲームでの「白金貨」「植民地」の存在は、パワーバランスに大きく影響する。「勝利点トークン」・「効果付き財宝カード」システムが登場。
ドミニオン:収穫祭 (Dominion:Cornucopia)
拡張セット第5弾。巨万の富を成した領主達の村は収穫の時を迎え、豊穣を祝う領民たちで祭りを行う。新規王国カードが13種類入り。
テーマは「多様性」。デッキが多彩であるほど力を発揮するカードや、「属州」を駆使して”褒章”を獲得するカードなどが登場した。
ドミニオン:異郷 (Dominion:Hinterlands)
拡張セット第6弾。最果ての地、まだ見ぬ世界の土地や人々がテーマ。新規王国カードが26種類入り。
獲得した瞬間に効果を発揮するカードなどが登場した。
ドミニオン:暗黒時代 (Dominion:Dark Ages)
拡張セット第7弾。国は荒れ賊が跋扈する時代、領主たちは安全で住みよい場所を求めて移住する。新規王国カードは35種類と、従来で最大の拡張セット。
テーマは「破棄」で、破棄した瞬間に効果を発揮するカードや、デッキ容量を圧迫する「呪い」に準ずるカードなどが登場した。

受賞歴[編集]

  • アラカルト・カードゲーム賞 (Fairplay:À la carte Preis 2009) 1位
  • ドイツゲーム大賞2009 (Deutsche Spiele Preis 2009) 大賞
  • ドイツ年間ゲーム大賞 (Spiel des Jahres 2009) 大賞
  • ダイアナ・ジョーンズ賞2009 (Diana Jones Award) 受賞
  • J.U.G賞(JogoEu User's Game/ポルトガル)受賞
  • オーストリアゲーム賞2009 (Spiel der Spiele) フレンドゲーム部門賞
  • 第35回オリジンズ・ゲームフェア (Origins Game Fair) 年間最優秀カードゲーム賞
  • ミープルチョイス賞 (Meeples' Choice Award) 大賞
  • メンサ・セレクト (the Mensa Select winners for 2009) 選出

イベント[編集]

2011年10月22日、ドイツのエッセン国際ゲーム祭「シュピール」内にて第1回ドミニオン世界選手権が開催され、日本代表が優勝した。

日本語版[編集]

2009年4月にホビージャパンより40周年記念商品として日本語版の基本セットが発売された。その後も、英語版の発売よりしばらくして、日本語版の発売がなされている。

ライセンス展開[編集]

2011年3月、本作のゲームシステムに東方Projectの世界観を載せた、「東方祀爭録」(東方ドミニオン)が発売された。カードの効果は本家と同じだが、その組み合わせ方は独自のものとなっている。また、拡張セットも展開予定である。

2011年12月、ドミニオンキャラクターズVol.1として、ニトロプラスの協力により「ニトロプラスカードマスターズ」が発売される。カードの効果は本家と同じだが、その組み合わせ方は独自のものである。

外部リンク[編集]