タルチシオ

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タルチシオ
アレクサンドル・ファルギエール作、1868年、オルセー美術館蔵。
死没 3世紀
ローマ
崇敬する教派 カトリック教会
正教会
記念日 8月15日
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聖タルチシオ(またはタルチジオタルチシウス)(イタリア語: San Tarcisio: Saint Tarcisius)は、3世紀キリスト教殉教者である。教皇ダマスス1世の詩にも登場する。カトリック教会での記念日は8月15日聖母の被昇天と同日)である[1]

聖体の奉仕者[編集]

ローマ帝国時代のイタリアではキリスト教が弾圧されていたため、キリスト教の信仰を持った人はカタコンベなどで密かに集まり、祈りを捧げて信仰を守っていた。その祈りで重要になるのは司祭によって聖別された聖体であり、ミサを捧げるのに必要なものであった。少年のタルチシオはこの聖体を運ぶ役割を司祭から受け、密かに信者のもとへ運び届けていた。しかし、ある日聖体を運んでいる途中に見つかってしまい、石で打ち殺されて殉教する[2]。石で打たれる最中も聖体を胸に抱いて守り続け、奪わせなかったという。そのため、肖像画や彫刻は胸に聖体を抱いているようなポーズが多い[3]。聖体を運んでいる最中に殉教したため、聖体の殉教者と呼ばれる[4]侍者守護聖人として知られるが、実際には助祭としての役割も担っていたとも言われる[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b San Tarcisio”. Parrocchia di San Tarcisio Martire. 2023年1月9日閲覧。
  2. ^ St. Tarsicius”. Catholic Encyclopedia. 2023年1月9日閲覧。
  3. ^ San Tarcisio Martire”. Santi Beati. 2023年1月9日閲覧。
  4. ^ Saint-Tharcisius”. Commission de toponymie du Québec. 2023年1月9日閲覧。