スール (曲)

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スール』(Sur)は、アニバル・トロイロが作曲したタンゴの曲。

概要[編集]

1948年に発表された。題名の「スール」は「南」を意味し、ブエノスアイレスアルゼンチン)の南部にある一角の通称である。

タンゴの作詞家として一世を風靡したオメロ・マンシが作った歌詞がつけられており、歌われることが多い。歌詞の内容としては、変わり果てた場末を訪ねて、青年の頃の恋愛を懐かしみ、昔に想いを寄せるようなものである。「サンファン」 San Juan と「ボエド」( Boedo) という、「スール」 の出だしに出てくる地名の場所の角には、1940年代に喫茶店があり、そこでマンシがこの歌を書き上げたと言われる。その場所では、この歌の作詞家にちなんで、「エスキーナ・オメロ・マンシ」 (Esquina Homero Manzi )というタンゲリア(タンゴ生演奏の店)が営業している。

エドムンド・リベロEdmundo Rivero)の歌が最初で、タンゴ愛好家から注目されることとなった。アニバル・トロイロ楽団のエドムンド・リベロ歌入りのレコード録音は、よく聴くことができる定番である。

フリオ・ソーサJulio Sosa)や、ロベルト・ゴジェネチェRoberto Goyeneche)らによっても歌われているのが有名である。

YouTubeでも、いくらか、アップロードされている[1]

この歌にちなんで、スールと名づけられたブエノスアイレスのタンゴ生演奏の店がある。

1998年公開のアルゼンチン映画 「スール/その先は…愛」 の最初に、ゴジェネチェの 「スール」の歌唱がある[2]

脚注[編集]

外部リンク[編集]