ステファノ・ヴィツィオーリ

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ステファノ・ヴィツィオーリ: Stefano Vizioli1959年6月19日 - )は、イタリアの劇場演出家、芸術監督。ナポリ生まれ。

経歴[編集]

ヴィツオーリは劇場専門の演出家で、とりわけオペラの演出で突出している。ピサのヴェルディ劇場で音楽部門(オペラシーズンの管轄)の芸術監督を務めている[1]

1979年、バルガ・オペラ祭でのドメニコ・サッロの『カナリア諸島の劇場支配人』 (L'impresario delle Canarie) でオペラ演出家としてデビューし、現在までにイタリア国内と国外で50に及ぶオペラ演出を手がけてきた。イタリア国内での活動範囲は次の通り。ミラノスカラ座ヴェネツィアフェニーチェ劇場ローマ歌劇場ボローニャ市立劇場フィレンツェ市立劇場トリエステ・ヴェルディ劇場、パレルモ・マッシモ劇場、ピサ・ヴェルディ劇場、ナポリサンカルロ劇場ラヴェンナ音楽祭フェッラーラ音楽祭パルマ・ヴェルディ祭[2]など。イタリア国外では次の劇場での活動がある。リスボン・サンカルロス劇場、シカゴ・リリック・オペラリエージュワロン王立オペラパリオペラ=コミック座、パリ・シャンゼリゼ劇場、ローザンヌ市立劇場、ストラスブール・ライン・オペラ、ザルツブルク州立劇場、チリ・サンティアゴ市立劇場、ブラジル・サンパウロ・サンペドロ劇場、ガーシントン・オペラフェスティバル、ウェックスフォード・フェスティバル、オランジュのChorégies (la Chorégies d'Orange), モンペリエ歌劇場、ブエノスアイレス・コロン劇場、ビルバオ・アリアガ劇場、トゥールーズ市立劇場、北京NCPA、マカオ音楽祭、インスブルック・バロック音楽祭、トゥーロン歌劇場など。

著名なオーケストラ指揮者との仕事では、リッカルド・ムーティ(スカラ座の『ドン・パスクアーレ[3]、ラヴェンナの『ノルマ』)、クラウディオ・アッバード(フェラーラの『セビリアの理髪師』)、アラン・クルティスダニエーレ・ガッティウラディーミル・ユロフスキーブルーノ・バルトレッティエフゲニー・スヴェトラーノフレナード・スラトキンヘスス・ロペス=コボスとの共演がある。

DVD化されたものも多く、ムーティ指揮によるスカラ座の『ドン・パスクアーレ』、パオロ・アリヴァベーニ指揮によるリエージュORWの『トロヴァトーレ』、パルマ・ヴェルディ音楽祭の『リゴレット』などがある。

アラン・カルペネ[4]と協調して「文化外交」 (diplomazia culturale) と称する国際プロジェクトを立ち上げ、ブータン・オペラ[5]でのヘンデル『アチスとガラテア』を手がけた他、日本では『オルフェオ』を上演した。この『オルフェオ』はモンテヴェルディの『オルフェオ』に日本の伝統演劇の日本舞踊を統合したバージョンとして上演された。社会福祉活動としては、ジャン・カルロ・メノッティのテレビオペラ『アマールと夜の訪問者』をパレルモの未成年刑務所で上演した。

忘れられた過去のバロック・オペラ作品の発掘・再上演でも多くの演出を手がけていて、フランチェスコ・カヴァッリの『ヴェレモンダ』が2015年にスポレート音楽祭で上演され、アラン・クルティス指揮のヴィヴァルディ『モテズーマ』はDVDでも発売されている。オペラのイタリア初演では、リムスキー=コルサコフの『五月の夜』をボローニャ市立劇場で手がけている。

イタリア国内と国外で教育活動にも携わっている。アメリカ・インディアナ大学シンシナティ大学テキサス大学エル・パソ校、ピサ大学で教えた。現代芸術家との協同制作も数多く手がけている。現代芸術家との協同制作も多く手がけている。

ナポリ音楽院(サン・ピエトロ・ア・マイェッラ音楽院)でピアノ専攻科を修了。歴史あるローマのアカデミア・フィラルモニカ(1821年創設)の会員(モーツァルトで知られるボローニャの同名の団体とは別)。

2017年1月から、ピサのジュゼッペ・ヴェルディ劇場で音楽部門の芸術監督を務めている。

脚注[編集]

外部リンク[編集]