ジャウフレ・リュデル

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ジャウフレ・リュデルJaufré Rudel)は、ブレ(Blaye、現ジロンド県)出身の下級貴族トルバドール12世紀に活躍した。「遠くからの恋 amor de lonh」という概念を展開したことで著名。日本の音楽学者からは、現代フランス語によってジョフレ・リュデルと呼ばれている。

生涯についてはほとんどが不明であるが、同時代の資料によると、1147年に「海を渡って」第2回十字軍に参加したという。伝説めいた、虚実交えた『略伝(ヴィーダ)』によると、ジャウフレ・リュデルは、美貌のトリポリ伯夫人オディエルナが聖地巡礼から戻ったことを聞き付け、オディエルナを自分の「遠くからの恋」の女神とした。十字軍の遠征中に病に倒れ、レバノンのトリポリに到着した時には余命いくばくもない状態だった。その報せに、オディエルナは城郭を飛び出し、リュデルを両腕に抱きながらその最期を看取ったという。このロマンティックだが到底ありそうもない話は、リュデルの詩の謎めいた性格から派生したものであり、十字軍の遠征中に死んだことが当たり前とされていたことがわかる。

リュデルの詩は、こんにち7点が現存し、そのうち7点は音楽も残されている。リュデルの歌《五月に陽の長くなる頃 Lanquan li jorn》は、ミンネゼンガーヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデのによる歌《 Allerest lebe ich mir werde》のモデルになったと見做されている。

フランスの戯曲作家エドモン・ロスタンは、この伝説をもとに1895年に戯曲『遙かなる姫君 La Princesse lointaine』を完成させたが、ヒロインの役をオディエルナではなく、その娘メリザンド(Melisende)に置き換えている。この戯曲はサラ・ベルナールによって演じられ、公演告知ポスターはミュシャによって作成された。

現代フィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホは、リュデルに関するオペラ《遙かなる恋人 L'amour de loin》を作曲した。

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