コズミックラテ
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| 16進表記 | #FFF8E7 |
|---|---|
| RGB | |
| 出典 | JHU |
コズミックラテ(Cosmic latte)は、ジョンズ・ホプキンス大学の天文学者のチームによって発見された、地球から見える宇宙の銀河の平均の色である。2002年、Karl GlazebrookとIvan Baldryは、宇宙の平均の色は緑色がかった白色と決定したが、2003年の論文ですぐにその分析を訂正し、20万個以上の銀河からの光の平均の色がベージュがかった白色になったと報告した[1]。16進数トリプレット表記では、#FFF8E7となる。
色の発見[編集]
この研究では、宇宙の平均の色の発見自体を対象としていたというよりも、星形成の研究のために、異なる銀河のスペクトルが分析された。フラウンホーファー線と同様、研究のスペクトル範囲中に表示される暗い線が古い星と若い星を示し、異なる銀河や恒星系の年齢を決定することができる。この研究で明らかになったことは、恒星の大部分が約50億年前に誕生したということである。これらの恒星は過去により明るかったことから、宇宙の色は時間とともに変化する。多くの恒星は若い時には青色でやがて黄色になり、最終的に赤色巨星になることから、平均の色は青色から赤色にの方に移っていく。遠方の銀河から届く光は、ずっと若く青い時期の光であるため、地球から見える宇宙の平均の色は、ピュアホワイトに近づく傾向がある[2]。
色名[編集]
訂正された色は、ジョンズ・ホプキンス大学のウェブサイトで最初に公表された[3]。NPRやBBC等の複数の報道機関がこの色を報じた[4]。Glazebrookが「ベージュでない限りあらゆる色名の提案を歓迎する」と述べたと冗談交じりに付け加えたところもあった[5][6]。
以下は、色の発見に関わったジョンズ・ホプキンス大学の天文学者による色名の投票の結果である[7]。
| 色名 | 提案者 | 票数 |
|---|---|---|
| Cosmic Latte | Peter Drum | 6 |
| Cappuccino Cosmico | Peter Drum | 17 |
| Big Bang Buff/Blush/Beige | Several entrants | 13 |
| Cosmic Cream | Several entrants | 8 |
| Astronomer Green | Unknown | 8 |
| Astronomer Almond | Lisa Rose | 7 |
| Skyvory | Michael Howard | 7 |
| Univeige | Several entrants | 6 |
| Cosmic Khaki | Unknown | 5 |
| Primordial Clam Chowder | Unknown | 4 |
ドラムの提案した「カプチーノコスミコ」が最も多くの表を獲得したが、ドラムの別の案である「コズミックラテ」が研究者の人気を集めた。「ラテ」は、ガリレオ・ガリレイの母語であるイタリア語で「牛乳」という意味であり、イタリア語で「天の川」を意味する"Via Lattea"にも近い。この色が天の川の平均の色に似ているという事実も興味を引いた[7][8]。また、「カフェインバイアス」であるとも言われた[2]。
関連項目[編集]
- 宇宙マイクロ波背景放射 - 初期宇宙の放射の痕跡
- 電磁スペクトル - 電子放射の周波数や波長の範囲
- 色名一覧
- オフホワイト - 白色の種類
- 可視光線 - ヒトの目で見られる電磁スペクトルの一部
出典[編集]
- ^ Baldry, Ivan K.; Glazebrook, Karl; Baugh, Carlton M.; Bland-hawthorn, Joss; Bridges, Terry; Cannon, Russell; Cole, Shaun; Colless, Matthew et al. (2002). “The 2dF Galaxy Redshift Survey: Constraints on Cosmic Star Formation History from the Cosmic Spectrum”. The Astrophysical Journal 569 (2): 582–594. 20 April 2002. arXiv:astro-ph/0110676. Bibcode: 2002ApJ...569..582B. doi:10.1086/339477.
- ^ a b “The Cosmic Spectrum”. Astrophysics Research Institute (2004年12月28日). 2017年8月17日閲覧。
- ^ "Color of the Universe Corrected by Astronomers" (Press release). Astrophysics Research Institute. Johns Hopkins University Office of News and Information. 7 March 2002. 2020年8月26日閲覧。
- ^ Valentine, Vikki (2002年3月7日). “The Color of the Universe Is...” 2017年8月17日閲覧。
- ^ “Universe is off colour”. (2002年3月8日) 2017年8月17日閲覧。
- ^ “Universe: Beige, not Turquoise” (英語). Wired. (8 March 2002). オリジナルの24 July 2008時点におけるアーカイブ。 2020年8月26日閲覧。.
- ^ a b “The Cosmic Spectrum” (2002年10月5日). 2002年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年8月17日閲覧。
- ^ Vedantam, Shankar; Kaufman, Marc; Stein, Rob (2002年7月1日). “Not Just a Milky Way Anymore - Science” (英語). The Washington Post. ISSN 0190-8286 2017年8月17日閲覧。
外部リンク[編集]
- Official project website: The Cosmic Spectrum at the Wayback Machine (archived 22 December 2016)
- NASA Astronomy Picture of the Day: The Average Color of the Universe (1 November 2009)