クサンティッペ

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エンブレム・ブックの挿絵に描かれた、ソクラテスに尿瓶の尿を頭から浴びせるクサンティッペ(オットー・ファン・フェーン画、1607年

クサンティッペギリシア語Ξανθίππη英語:Xanthippe、生没年不詳)は古代ギリシア哲学者ソクラテスの妻。クサンチッペ、長音も発音するならばクサンティッペーとも呼ばれる。

人物像[編集]

クサンティッペとはギリシア語で「黄色い馬」を意味する。悪妻であったとされ、西洋では悪妻の代名詞ともなっているが、これは後世の作り話である部分も多く、彼女の実際の姿については殆どが不明である。プラトンの著作『パイドン』の中では、「クサンティッペは妻としても母としても何ら貢献をしなかった」と述べている一方で、獄中にあるソクラテスを思って嘆き悲しみ、取り乱すという描写がある(とはいえ、対話の舞台設定がソクラテス刑死の直前になっているだけで、『パイドン』が事実をそのまま述べているとは限らない)。

クサンティッペを悪妻とするエピソードには、以下のようなものがある。

  • ある時クサンティッペはソクラテスに対して激しくまくしたて、彼が動じないので水を頭から浴びせた。しかしソクラテスは平然と「雷の後は雨はつきものだ」と語った。
  • ソクラテスが語ったとされる言葉にこのようなものがある。「セミは幸せだ。なぜなら物を言わない妻がいるから」。
  • ソクラテスが語ったとされる言葉にこのようなものがある。「ぜひ結婚しなさい。よい妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる」。
  • 「そんなにひどい妻なら別れたらいいじゃないか」と言った人に対し、ソクラテスが語ったとされる言葉に次ようなものがある。「この人とうまくやっていけるようなら、他の誰とでもうまくやっていけるだろうからね」。

作家の佐藤愛子(彼女自身も、元夫に頭から水を浴びせたエピソードが有名)が『ソクラテスの妻』という小説を発表、後に「ソクラテスのような男と結婚すれば、女はみんな悪妻になってしまう」との旨を述べている。