カロリス盆地

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カロリス盆地: 盆地の半分。NASA(ナサ)のマリナー10号によって撮影された。

カロリス盆地(Caloris Basin)は水星最大のクレーター直径は約1,550キロメートルで、これは水星の直径の1/4よりも大きい。 およそ36億年前に直径100キロメートル程度の天体小惑星)の衝突によって作られたと考えられている。 名前の"カロリス"はラテン語で「」を意味する。

巨大なクレーターだが、水星が太陽から大きく離れることがないため、地上からの観測は困難。1974年アメリカ惑星探査機マリナー10号が水星に到達した際に発見されたが、撮影できたのはごく一部だった。2008年に水星でスイングバイを行ったメッセンジャーにより初めて全体が撮影され、正確な大きさが判明した。

カロリス盆地の大きさは、マリナー10号により撮影された画像(右半分)により約1,350kmと推測されていたが(黄色の円)、メッセンジャーにより撮影された画像(左半分)により約1,550kmと判明した(青色の円)。

構造は比較的平坦な円形の平原の周囲を複数のクレーター壁が同心円状に取り巻いた多重リング構造をしている。 同じように多重リング構造を持つ大クレーターには、東の海(Mare Orientale)や木星衛星カリストヴァルハラ盆地がある。

カロリス盆地のまわりには、2,000mにも達するカロリス山脈もある。これは小惑星がぶつかったときにできたと推測される。[1]

カロリス盆地に対して対蹠点にあたる地点付近には、山と谷が入り乱れた複雑な地形が見られる。これはカロリス盆地を作った際の衝突の衝撃波が衝突地点から水星の内部や表面を伝わっていき、ちょうど水星の裏側で合流しその大きなエネルギーによって地形が歪んで作られたものと考えられており、対蹠点地形と呼ばれている。

カロリス盆地をつくった小惑星がもう少し大きかったら、水星は粉々になっていただろうと推測される。[1]


脚注[編集]

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  1. ^ a b 「徹底図解 宇宙のしくみ」、新星出版社、2006年、p42

関連項目[編集]